食べるものが尽きそうなとき|フードバンクの食品は、相談窓口を通して届きます

支援を求めて差し伸べられる手のイメージ 制度・お金

相談の席で、冷蔵庫の中身を伺うことがあります。米が少しと調味料だけ、財布には数百円。そういうときに「フードバンクに行けば食べ物をもらえると聞いたんですが、どこにあるんですか」と聞かれます。

気持ちはよくわかります。ただ、ここで一つ知っておいてほしいことがあります。神奈川と静岡の県域で活動している大きなフードバンクは、個人に直接は食品を渡していません。倉庫を訪ねても、その場で受け取ることはできないのです。

では食品はどこへ行くのか。どこに電話すれば自分のところまで届くのか。順に書きます。

県域のフードバンクは「届ける側を支える」団体です

フードバンクかながわは、個人への食品提供はしていないとはっきり書いています。食品を渡す相手は、月に1回以上食の支援活動をしている非営利団体や行政機関で、登録と現地確認を経た団体に限られます。そこから先、フードパントリーや子ども食堂、地域食堂、福祉施設を通して、困っている人の手に渡る。個人の方には「地域の相談窓口に相談してください」と案内しています。

静岡県のフードバンクふじのくにも同じ形です。支援を受けたい人向けに、市町ごとの相談窓口の一覧を載せていて、住んでいる市町の支援先に直接連絡するよう案内しています。

つまり、フードバンクは食品を集めて配る「卸」のような役割で、店先に立つのは市の窓口や社会福祉協議会、地域の団体です。この順番を知らずに倉庫へ向かうと、交通費と時間だけが減ってしまいます。

(出典:フードバンクかながわ「受け取りたい」 https://fb-kanagawa.com/provide /フードバンクふじのくに「食料配布の地域別相談窓口 連絡先一覧」 https://fb-fujinokuni.org/list-soudan/ いずれも確認日2026年9月14日)

電話する先は、生活困窮の相談窓口

食品の支援につながる入口は、生活困窮者自立支援制度の相談窓口です。神奈川県は、市に住んでいる人は市の窓口へ、町村に住んでいる人は県の窓口へ、と案内しています。

当会の記事で扱っている地域の窓口を、いくつか挙げておきます。

神奈川県内の窓口の例

横浜市/住んでいる区の区役所 生活支援課(例:西区役所 生活支援課 生活支援係 045-320-8407。月曜〜金曜の午前8時45分〜午後5時、土日祝日と12月29日〜1月3日は閉庁)
秦野市/はだの地域福祉総合相談センター「きゃっち。」 0463-83-2751
海老名市/海老名市 生活支援課 046-235-9015

静岡県西部(フードバンクふじのくにが案内している窓口)

浜松市/浜松市生活自立相談支援センター つながり
磐田市/磐田市 福祉課 生活相談グループ(福祉総合相談)
掛川市/掛川市社会福祉協議会 生活支援係
袋井市/袋井市生活自立相談センター
湖西市/湖西市社会福祉協議会

(出典:神奈川県「生活にお困りの方を支援する相談窓口の一覧はこちらです。(生活困窮者自立相談支援機関)」2026年5月11日更新 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/r6w/cnt/f533087/ /横浜市「各区の相談窓口」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kenko-iryo-fukushi/fukushi-kaigo/seikatsu/madoguchi.html /フードバンクふじのくに 前掲。いずれも確認日2026年9月14日。電話番号や担当は変わることがあるので、つながらなければ市役所の代表番号から聞いてください)

ほかの地域にお住まいなら、厚生労働省の委託で運営されている自立相談支援機関の相談窓口一覧から、都道府県ごとに探せます。神奈川県内で窓口をまとめて見たい方は、神奈川の相談先の記事も参考にしてください。

「食べるものがない」から話し始めていい

生活の相談窓口で、いきなり食べ物の話をするのは気が引ける、という方がいます。仕事のことや借金のことをきちんと説明しないといけないのでは、と。

そんなことはありません。厚生労働省が自治体向けに出している自立相談支援事業の手引きには、食材などを提供するフードバンクが、地域で使える支援の一つとして挙げられています。窓口はそうした支援を洗い出し、つながれるようにしておくことが大切だ、とも書かれています。反対に、子ども食堂やフードバンクの活動の中で困っている人に出会ったら、相談窓口へつなぐ流れも想定されています。横浜市も、生活困窮の支援の指針の中に「フードバンク・フードドライブ活動との連携」を項目として立てています。

食べるものがない、というのは相談の入口としてまっとうな話です。そこから住まいや仕事、お金の話へ広げていくのが、窓口の仕事でもあります。

ただ、どれくらいの量を、いつ受け取れるかは地域によって違います。窓口に食品が置いてある自治体もあれば、地域の団体へつないで後日受け取る形のところもあります。電話したその日に手に入るとは限らないので、残りが少なくなってきた段階で早めに連絡してください。

(出典:厚生労働省「自立相談支援事業の手引き」第1章 https://www.mhlw.go.jp/content/001472177.pdf /横浜市「横浜市生活困窮者自立支援制度業務推進指針」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/fukushi-kaigo/seikatsu/jiritsu/konnan/gyoumusuishinshishin.html いずれも確認日2026年9月14日)

電話で伝えると話が早いこと

うまく説明しようとしなくて大丈夫です。「食べるものがなくなりそうで、相談したいです」と言えば通じます。そのうえで、次のことがわかっていると、窓口の側も動きやすくなります。

  • 食べるものが、あと何日分くらい残っているか
  • 手持ちのお金と、次にお金が入る日(給料日、年金の支給日など)
  • 一緒に暮らしている人数と、子どもがいるかどうか
  • ガスや電気が止まっていないか
  • 食物アレルギーや、食事に制限がある病気

ガスや電気のことは、意外と言い忘れます。コンロが使えないのに乾麺や米を受け取っても、食べられません。止まっているなら最初に伝えてください。缶詰やパンのように、そのまま食べられるものを考えてもらえることがあります。

食べ物の支援は、数日をつなぐためのもの

フードバンク経由の食品は、ありがたいものですが、生活そのものを支え続ける量ではありません。受け取った食品で持ちこたえている間に、お金の穴をどう埋めるかを同じ窓口で相談してください。

次の収入が入るまでの短い期間なら、社会福祉協議会の生活福祉資金(緊急小口資金など)という貸付があります。仕事を失って家賃が払えなくなりそうなら、住居確保給付金。収入の見込みそのものが立たないなら、生活保護の申請を考える段階です。申請の流れは申請方法の記事にまとめました。申請してから決定まではおおむね2週間、長くて30日かかることがあるので、その間の食べ物をどうするかも、申請の場で正直に話してください。

まだそこまでではないけれど毎月足りない、という方は、固定費の見直しから手をつけると効きます。食費を削るのは、いちばん最後でいい。

対象を決めて、個人に直接渡している団体もあります

ここまで「直接はもらえない」と書いてきましたが、それは県域のフードバンクの話です。地域の団体の中には、対象を決めて個人に直接渡しているところもあります。

たとえばフードバンク湘南は、ひとり親家庭を対象に、児童扶養手当の証明書などを持って事務所に来た人へ食品を渡しています。電話で来所日を予約し、申込書を書いてから1週間ほどで受け取る流れで、平塚市外に住んでいる人は受け取りのみです。

(出典:フードバンク湘南「支援を受けたい方」 https://foodbank-shonan.com/receive 確認日2026年9月14日)

こうした団体は、条件も受付の曜日もそれぞれ違います。自分で一つずつ探すより、相談窓口で「近くで使える食の支援はありますか」と聞くほうが確実です。窓口は地域の団体の情報を持っています。

食べることが止まると、ほかも止まります

食べるものがない状態では、仕事を探す力も、書類をそろえる気力も続きません。空腹を我慢しながら次の手を考えるのは、思っている以上に難しいことです。だから、残りが少なくなった時点で声を上げてください。

私たちは横浜市西区のNPO法人で、住まいと仕事の相談をお受けしています。どの窓口に電話すればいいのか、何から話せばいいのかを一緒に整理するところから始められます。

まずは無料の相談前チェックに、いまの状況を書けるだけ書いて送ってください。折り返しご連絡します。

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