生活保護を受けている人は197万人|半分は高齢のひとり暮らし、申請は増えています

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厚生労働省が2026年9月2日、生活保護の被保護者調査(令和8年6月分の概数)を公表しました。毎月出ている統計で、今回は今年6月時点の数字です。この記事では、その中身と、そこから読み取れることを整理します。

6月時点で、197万人が生活保護を利用しています

主なところを挙げます。

生活保護を利用している人は1,969,502人。1年前の同じ月と比べて18,995人、率にして1.0%減りました。世帯の数では1,642,778世帯で、こちらは2,424世帯の減少、率では0.1%です。

一方で、6月中に出された申請は20,970件で、1年前より73件増えました。実際に保護が始まった世帯も18,171世帯で、149世帯増えています。

受けている人は減っているのに、新しく申請する人は増えている。同じ月の統計に、逆向きの動きが並んでいます。

この数字をどう読むか

まず「保護率」という言葉が出てきます。人口100人あたり何人が生活保護を利用しているかを表したもので、6月は1.60%でした。ざっくり言うと、62人に1人です。

人数と世帯数が違うのは、一人暮らしの世帯もあれば、家族で受けている世帯もあるからです。197万人が162万世帯に分かれている、と考えていただければ大きく外れません。

受給者が減って申請が増えている理由は、この統計だけからは分かりません。ただ、あとで見るように利用者の半分以上が高齢の方なので、新しく入る世帯より、亡くなるなどして抜けていく世帯のほうが多い状態が続いていると考えられます。

利用している世帯の半分は、高齢のひとり暮らしです

世帯の種類ごとの内訳が、いちばん実像に近いと思います。6月の数字です(保護が停止中の世帯を除いた1,634,108世帯が母数)。

世帯の種類 世帯数 割合
高齢者世帯 903,532 55.3%
 うち ひとり暮らし 844,730 51.7%
障害のある方・傷病の方の世帯 416,933 25.5%
その他の世帯 258,690 15.8%
母子世帯 54,953 3.4%

高齢者世帯が55.3%。しかもそのほとんどがひとり暮らしで、全体の51.7%を占めます。生活保護を利用している世帯の半分以上が、高齢の単身世帯だということです。

生活保護というと、何か特別な事情がある人の制度だと思われがちです。実際の内訳は違います。年金だけでは暮らしが立たなくなった高齢の方が、いちばん多い。これがこの統計のいちばん大きな事実だと考えています。

「その他の世帯」15.8%、約26万世帯という数字にも触れておきます。ここは高齢でも母子でも障害・傷病でもない世帯、つまり働ける年齢の世帯です。少ないと感じるかもしれませんが、26万世帯あります。

増えた類型と、減った類型があります

1年前の同じ月と比べると、世帯の種類によって動きが分かれました。

  • 障害のある方・傷病の方の世帯:4,281世帯の増加(1.0%増)。増えたのはここだけです
  • 母子世帯:3,761世帯の減少(6.4%減)。減り方がいちばん大きい
  • 高齢者世帯:1,006世帯の減少(0.1%減)
  • その他の世帯:1,778世帯の減少(0.7%減)

母子世帯が6.4%も減っています。ただし、なぜ減ったのかは、この統計からは読み取れません。暮らしが良くなって外れたのか、子どもが育って世帯の分類が変わったのか、あるいは制度から離れてしまったのか。数字は理由まで教えてくれないので、「母子家庭の暮らしが良くなった」と読むのは早いと思います。

注意しておきたいこと

この統計を見るときに、気をつけていただきたい点が3つあります。

1つめは、これが「概数」だということ。確定した値は後から別に出ます。1か月分の増減は小さいので、ひと月の動きだけを取り出して大きな変化と考えないほうがいいです。

2つめは、全国の数字だということ。都市部と地方では家賃も仕事の数も違います。お住まいの市区町村の状況が、この平均と同じとは限りません。

3つめが、いちばん大事です。この統計に出てくるのは、申請した人だけだということです。

この数字に出てこない人がいます

生活保護の統計は、窓口に申請が出て初めて1件と数えられます。

つまり、生活が苦しくても申請していない方は、この197万人の中に入っていません。相談に行こうか迷っている方、窓口まで行ったけれど話を切り出せずに帰った方、家族に知られたくなくて踏みとどまっている方。そうした方は、統計のうえでは数に入らないままです。

裏を返すと、申請件数が1年前より増えたということは、踏み出した方が去年より少し増えたということでもあります。1か月に約2万1千件。決して珍しいことではありません。

もうひとつ。利用世帯の半分が高齢のひとり暮らしだという事実は、住まいの問題と重なります。高齢の単身世帯は、保証人を立てにくく、賃貸の入居を断られやすい層でもあります。収入の問題と住まいの問題は、実際にはひとつながりです。生活保護の数字を見ているつもりで、住まいの数字を見ていることになります。

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生活保護の相談・申請の窓口は、お住まいの市区町村の福祉事務所です。区役所・市役所の生活支援課などが担当しています。申請は権利として認められているもので、相談だけでも受け付けてもらえます。

そのうえで、窓口で何をどう話せばいいか分からない、家賃を滞納していて住むところが危うい、仕事を探しているが決まらない――そうしたことでお困りでしたら、NPO法人暮らし就労支援協会にご相談ください。住まいのご相談と就労のご相談の両方をお受けしています。相談は無料です。

出典

監修:NPO法人暮らし就労支援協会

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