日本年金機構は、新しく年金生活者支援給付金の対象になる方へ、請求書(はがき型)を毎年9月の第1営業日から順次送っています。令和8年度は9月1日が第1営業日にあたります。
同機構は9月1日付で、手続きが遅れたときの取り扱いについての案内も更新しました。令和9年1月4日(月曜)までに機構へ届けば、令和8年10月分までさかのぼって受け取れます。
この給付金は、請求書を出さないと1円も入りません。対象に当てはまっているだけでは支給されない仕組みです。
そもそも、どういうお金なのか
年金生活者支援給付金は、消費税率の引き上げ分を使って、年金収入やその他の所得が一定額以下の年金受給者に、年金へ上乗せして支給されるものです。2019年10月に始まりました。
年金とは別のお金として振り込まれます。原則として偶数月の15日に、その前月までの2か月分がまとめて入ります。年金と同じ口座です。
いくら受け取れるか
老齢基礎年金を受けている方の場合、月額はこう計算します。
保険料を納めた期間の分が「5,620円 × 納付済期間 ÷ 480月」。免除を受けていた期間の分が「11,768円 × 免除期間 ÷ 480月」。この二つを足した額です(昭和31年4月2日以後に生まれた方の場合)。
40年(480月)すべて納めていれば月5,620円。日本年金機構は、納付240か月・全額免除50か月・4分の1免除30か月の方の例として、月4,404円という計算を示しています。
障害基礎年金を受けている方は、1級で月7,025円、2級で月5,620円。遺族基礎年金を受けている方は月5,620円です(お子さんが複数いる場合は人数で割ります)。
対象になるのはどんな人か
老齢基礎年金の場合、次の三つをすべて満たす方です。
一つめ、65歳以上で老齢基礎年金を受けていること。二つめ、請求する方の世帯全員の市町村民税が非課税であること。三つめ、前年の年金収入とその他の所得の合計が809,000円以下であること(昭和31年4月2日以後生まれ。それ以前に生まれた方は806,700円以下)。
三つめの金額を少し超えていても、809,000円を超え909,000円以下であれば「補足的老齢年金生活者支援給付金」の対象になります。ここで一気にゼロにならないよう、段階をつけてある形です。
障害基礎年金・遺族基礎年金を受けている方は、所得の上限がかなり違います。「4,794,000円+扶養親族の数×38万円」以下であれば対象です。しかも障害年金・遺族年金そのものは非課税なので、この判定に使う所得には含まれません。世帯全員が非課税、という条件も付きません。
障害年金を受けていて、この給付金を知らないままの方は、少なくないと思います。
手続きでいいところ
はがきに数か所書いて、ポストに入れるだけです。添付書類は原則として要りません。市町村から提供される所得の情報で判定するためです。同封の目隠しシールを貼り、切手を貼って投函します。電子申請も選べます。
そして一度出せば、翌年以降は自動で継続の判定が行われます。毎年出し直す必要はありません。継続の判定結果は、毎年10月分(12月支払い)から1年間反映されます。
満額の月5,620円で計算すると、年間で67,440円になります。
見落とされやすい点
まず期限です。はがきに書かれた期限を過ぎても手続きはできますが、令和9年1月4日(月曜)までに届かなかった場合、請求した月の翌月分からの支給に変わります。10月分にさかのぼれなくなり、遅れた月の分はそのまま消えます。月5,620円なら、1か月遅れるごとに5,620円ずつ受け取れなくなる計算です。
はがきが届かない=対象外、とは限りません。所得の情報が確認できない方には、A4型の請求書と所得状況届が送られます。心当たりがあるのに何も届かないときは、給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)か、お近くの年金事務所に問い合わせてください。
生活保護を受けている方は、担当のケースワーカーに必ず確認してください。生活保護は、他の法律による扶助が使えるならそちらが先、という原則で運用されています(生活保護法第4条第2項)。受け取れる給付金は先に受け取る必要がある一方で、受け取った分は収入として扱われます。手取りの合計が5,620円まるごと増える、という話ではありません。
このほか、日本国内に住所がないとき、年金が全額支給停止のとき、刑事施設等に拘禁されているときは支給されません。
制度として残っている課題
この給付金は請求主義です。要件に当てはまっていても、はがきを出した人だけが受け取ります。
入院中の方、施設に入っている方、郵便物が溜まってしまう状況にある方、判断する力が落ちてきている方。制度がいちばん届いてほしい人ほど、封筒を開けて書いて投函するという一連の作業が難しい、ということが起こります。実際、ご家族が久しぶりに実家へ行って、未開封の封筒の山に気づくことがあります。
もう一つ、金額そのものです。月5,620円は、横浜市の単身世帯の住宅扶助上限52,000円と並べてみれば、家賃を賄う額ではありません。年金だけでは暮らしが成り立たない、という状態を解決する規模の制度ではない、というのが率直なところです。
年金と給付金を足しても足りないときは、生活保護を検討していい場面です。年金を受けながら、不足分だけ生活保護を受けることもできます。
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年金だけでは足りない、というとき
まずは、届いたはがきを出してください。それが済んだら、次の話ができます。
年金と給付金を合わせても家賃や医療費で消えてしまう、家賃の滞納が始まっている、住むところを変えたほうがいいかもしれない。そうしたことでお困りでしたら、NPO法人暮らし就労支援協会にご相談ください。住まいのご相談と、生活の立て直しのご相談をお受けしています。相談は無料です。
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出典
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内(令和8年4月改定版)」https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/sonota-kyufu/shienkyufukin/seikyu/roureikiso.files/leaflet1.pdf(2026年9月1日確認)
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/sonota-kyufu/shienkyufukin/seikyu/ta.html(2026年9月1日確認)
- 日本年金機構 年金Q&A「手続きが遅れると年金生活者支援給付金は受け取れなくなりますか。」(2026年9月1日更新)https://www.nenkin.go.jp/section/faq/jukyu/seido/sonota-kyufu/shienkyufukin/hagaki/kigen.html(2026年9月1日確認)
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/sonota-kyufu/shienkyufukin/rourei.html(2026年9月1日確認)
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 特設サイト」https://www.mhlw.go.jp/nenkinkyuufukin/(2026年9月1日確認)
監修:NPO法人暮らし就労支援協会


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