12月の保護費に上乗せされる「期末一時扶助」|冬季加算とは別のお金、世帯人数と級地で決まる額

制度・お金

12月に届く保護費の決定通知を見て、いつもより少し多いことに気づく方がいます。これは期末一時扶助(きまついちじふじょ)という、12月だけ上乗せされるお金です。年末年始は食べるものや身の回りのものにお金がかかる。その分を12月の保護費に足す仕組みです。

冬の暖房費のための冬季加算と混同されやすいのですが、別のものです。この記事では、期末一時扶助の額と、冬季加算との違い、年末年始に向けて12月のうちにしておきたいことを書きます。

12月の生活扶助に足される額

厚生労働省の告示(保護の基準)は、12月の基準生活費について、ふだんの計算で出した額に「期末一時扶助費の表に定める額を加えた額とする」と定めています。12月の生活扶助の計算そのものに組み込まれているので、12月に保護を受けている世帯なら、通常は別に申請しなくても入ります。金額は、福祉事務所から届く保護決定(変更)通知書で確かめられます。

病院に入院している方や介護施設に入っている方も対象から外れません。厚生労働省の通知では、入院中や施設入所中でふだんの生活費の計算方法が変わっている人についても、12月の期末一時扶助費は算定するとされています。

世帯人数と級地で決まる額

額は、住んでいる地域の級地と世帯の人数で決まります。告示の表から、1人から5人までを並べます。

級地 1人 2人 3人 4人 5人
1級地-1 14,500円 23,640円 24,360円 27,410円 28,560円
1級地-2 13,850円 22,560円 23,270円 26,170円 27,270円
2級地-1 13,190円 21,510円 22,160円 24,930円 25,980円
2級地-2 12,550円 20,450円 21,080円 23,720円 24,710円
3級地-1 11,890円 19,380円 19,980円 22,470円 23,420円
3級地-2 11,240円 18,310円 18,880円 21,230円 22,140円

6人以上の世帯の額も告示に定められています。神奈川県では、横浜市、川崎市、鎌倉市、藤沢市、逗子市、大和市、葉山町が1級地-1です。

表を見ると、1人から2人では9千円ほど増えるのに、2人から3人では700円ほどしか増えません。人数に比例して増えるわけではないので、家族の人数から自分で計算するより、通知書で実際の額を見るほうが確実です。

たとえば横浜市でひとり暮らしをしている方なら14,500円、夫婦2人なら23,640円が、12月の保護費に足されます。相談を受けていると、この上乗せを「臨時のボーナス」のように受け止めて、12月のうちに使い切ってしまう方もいます。もともと年末年始の出費に備えるためのお金です。年末から年明けにかけては役所が休みに入るので、使い道は1月の支給日まで見通して決めてください。

なお、住んでいる市町村の級地が分からないときは、ケースワーカーに聞けばすぐに教えてもらえます。級地は、生活扶助の基準額や住宅扶助の上限額にも関わる区分なので、一度確かめておくと、ほかの制度を調べるときにも役に立ちます。

冬季加算とはどう違うのか

冬季加算は、暖房などで光熱費が増える冬の数か月、毎月の保護費に足される加算です。地域を気候でⅠ区からⅥ区に分け、加算がつく月数も額も地区ごとに違います。期末一時扶助は12月の1回だけで、地区の寒さではなく級地で額が決まります。目的も、冬季加算は光熱費、期末一時扶助は年末年始に増える食費などの支出、と分かれています。冬季加算については冬季加算の記事に書きました。

この2つは、いま国の社会保障審議会の生活保護基準部会で検証されています。10月6日の部会の資料では、低所得の世帯の支出は10月・11月の平均と比べて12月に2割ほど増えているとされ、冬季加算と重なる光熱費を除いたうえで、12月に増える支出といまの額を比べる方針が示されました。額が変わるかどうかは、まだ決まっていません。経過は基準の検証についての記事にまとめています。

年末年始、役所が閉まる前に

国の機関は、法律で12月29日から1月3日までが休日です。市区町村の窓口も、多くはこの時期に閉まります。休みに入ってから困っても、ケースワーカーにすぐには連絡がつきません。12月のうちに確かめておいてほしいことがいくつかあります。

まず、1月分の保護費がいつ振り込まれるか。支給日は自治体が決めているので、担当のケースワーカーに聞いてください。次に、休みの間に急な病気やけがをしたとき、医療券をどうすればいいか、どこに連絡すればいいか。持病の薬は、休みに入る前に残りの日数を数えておくと安心です。

12月の上乗せ分は、年明けの支給日までの食費として取っておく。そう決めておくだけでも、1月の初めに手元のお金が尽きる心配は減ります。それでも食べるものが足りなくなりそうなときは、フードバンクの記事を読んでみてください。保護費全体の組み立ては支給額の記事にあります。

判断するのは福祉事務所で、自治体によって運用が違うところもあります。年末に向けて暮らしの不安がある方は、無料の相談前チェックから、いまの様子を書いて送ってください。私たちから折り返しご連絡します。

出典

・12月の基準生活費への加算、期末一時扶助費の額(世帯人員別・級地別)、神奈川県の1級地-1の市町:厚生労働省「生活保護法による保護の基準」(昭和38年厚生省告示第158号)別表第1第1章、別表第9https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82051000&dataType=0
・入院中・介護施設入所中の期末一時扶助費の算定:厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」(昭和38年4月1日社発第246号)第7の2https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta8432&dataType=1&pageNo=1
・12月の支出の増え方と検証の方針:厚生労働省 社会保障審議会生活保護基準部会(2026年10月6日)資料2「児童養育加算・母子加算・冬季加算・期末一時扶助の検証方法について」https://www.mhlw.go.jp/content/12002000/001756313.pdf
・国の機関の年末年始の休日:行政機関の休日に関する法律第1条 e-Gov法令検索https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000091
(基準部会の資料は2026年10月15日、そのほかは2026年10月19日に確認)

コメント

タイトルとURLをコピーしました