仕事を失った。あるいは仕事は続いているけれど、シフトが減って収入が落ちた。家賃の引き落としが不安になってきた。この段階で使える制度があることは、あまり知られていません。
住居確保給付金といいます。生活保護の手前にある制度で、家賃にあたる額を自治体が大家さんへ直接支払う仕組みです。手元にお金が渡るわけではないので、家賃だけはとにかく止めない、という使い方になります。
どんな人が対象になるのか
大きく分けると二通りです。ひとつは、離職や廃業から一定の期間内にある方。もうひとつは、勤め先の都合などご自身の責任によらない理由で、就業の機会が減り収入が落ちた方。後者はコロナ禍の時期に加わった考え方で、いまも残っています。
あわせて、世帯の収入と預貯金がそれぞれ基準以下であること、そして求職活動をすることが条件になります。基準額は自治体によって違いますし、見直しもあります。ここで数字を書くと誤解のもとになるので、お住まいの窓口で確認してください。
窓口はどこか
福祉事務所ではなく、自立相談支援機関です。市や区が設置していて、自治体によって「くらしサポート」「生活支援相談窓口」など呼び名が違います。市役所に電話して「住居確保給付金の相談をしたい」と言えば、担当につないでもらえます。
生活保護との違い
生活保護は生活費全般を支える制度で、資産や扶養の調査が入ります。住居確保給付金は家賃部分だけを、期間を区切って支える制度です。まだ働ける見通しがあり、住まいさえ確保できれば立て直せるという段階では、こちらのほうが使いやすいことがあります。
## 期間と、その間にやること
原則は3か月です。求職活動を続けていることなどを条件に延長され、最長で9か月まで受けられるのが基本的な枠組みです。
大事なのは、この3か月から9か月をどう使うかです。家賃が止まっている間に仕事を決める。それが制度の前提になっています。実際、受給の要件としてハローワークへの求職申込みや、定期的な相談が求められます。
ただ、求職活動をしているのに決まらない、という時期はあります。年齢、体調、住んでいる場所、いろいろな理由で。私たちのところにも「活動はしているのに面接まで進まない」という相談が来ます。そのときは、応募先の選び方から一緒に見直します。就労支援で、求人の開拓と、決まったあとの定着まで関わっています。
使えなかったとき、使い切ったとき
要件に当てはまらないこともありますし、期間が終わっても収入が戻らないこともあります。そこで終わりにしないでください。次に検討するのが生活保護です。
住居確保給付金を受けていたという記録は、生活保護の申請で不利にはなりません。むしろ、家賃を止めずに求職を続けてきた経過として説明できます。申請方法の記事に、窓口で聞かれることをまとめました。
迷っている段階が、いちばん動きやすい
家賃が二か月、三か月と滞ってから相談に来られる方が多いのですが、滞納が積み上がるほど選択肢は減ります。退去を求められてしまうと、住まいを確保するところからやり直しになる。まだ払えているうちに動くほうが、はるかに楽です。
どの制度が自分に合うのかわからない、という状態で構いません。まずは無料の相談前チェックから。住まいのことは住居支援のページにも書いています。
出典:厚生労働省「住居確保給付金」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00002.html /2026年8月18日確認)

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