就職して3年以内に辞める人は高校卒で36.9%|小さな職場ほど高く、1年目で辞めると失業手当に届かないことも

仕事・自立

10月23日、新しく働き始めた人の「3年以内の離職率」が公表されました

厚生労働省は2026年10月23日、2023年(令和5年)3月に学校を卒業して就職した人が、その後3年のあいだにどれくらい仕事を辞めたかをまとめて公表しました。毎年秋に出ている統計です。

就職してから3年以内に辞めた人の割合は、次のとおりでした(かっこ内は前の年の卒業生との差)。

  • 中学卒:54.5%(0.4ポイント上昇)
  • 高校卒:36.9%(1.0ポイント低下)
  • 短大等卒:43.1%(1.4ポイント低下)
  • 大学卒:31.2%(2.6ポイント低下)

中学卒を除いて、前の年より下がっています。それでも、高校を出て働き始めた人のおよそ3人に1人以上が、3年以内に最初の職場を離れていることになります。高校卒の17.4%、大学卒の11.0%は、1年目のうちに辞めていました。

職場の規模と業種で、数字は大きく違う

平均の数字よりも差がはっきり出ているのが、職場の大きさです。3年以内の離職率は、

  • 従業員5人未満の事業所:高校卒61.3%、大学卒58.2%
  • 従業員1,000人以上の事業所:高校卒24.4%、大学卒24.2%

と、小さな職場ほど高く、2倍以上の開きがあります。

業種では、宿泊業・飲食サービス業(高校卒61.6%、大学卒49.9%)と、理美容や娯楽などの生活関連サービス業・娯楽業(高校卒61.1%、大学卒49.8%)が、高校卒・大学卒ともに上位の2つでした。高校卒では医療・福祉(49.4%)、教育・学習支援業(49.3%)、小売業(48.5%)が続きます。

わかりやすく言うと

この統計は、会社がハローワークに出す雇用保険の届出をもとに数えています。厚生労働省の説明では、辞めた理由や、辞めたあとに別の仕事に就いたかどうかに関係なく「離職」として数えています。ですから、もっと条件のよい会社へ移った人も、体調を崩して辞めた人も、同じ1人です。

つまり「3割が辞めた」は、それだけで良い・悪いを決められる数字ではありません。ただ、小さな職場や、立ち仕事・接客が中心で休みが不規則になりやすい業種で、辞める人が目立って多いことは、毎年の統計でくり返し表れています。

メリット:数字は下がっている。辞めたあとの支えもある

高校卒・大学卒とも、3年以内の離職率は前の年より下がりました。とくに大学卒は2.6ポイントと、下がり幅が大きくなっています。

また、最初の仕事が合わなかったとしても、それで道が閉じるわけではありません。厚生労働省は、新卒応援ハローワークなどで、就職した人の職場定着や、辞めた人の再就職を引き続き支えるとしています。働いていない15〜49歳の人が無料で相談できる「地域若者サポートステーション(サポステ)」もあります。

デメリット・注意点:1年目で辞めると、失業手当の条件に届かないことがある

見落とされやすいのが、雇用保険の失業手当(基本手当)です。自分の都合で辞めた場合、原則として辞めた日より前の2年間に、雇用保険に入っていた期間が通算12か月以上必要です。倒産や解雇などで辞めた人、病気など正当な理由がある人は、1年間に6か月以上あれば対象になります。

そのため、働き始めて1年たたないうちに自分から辞めると、失業手当を受けられないことがあります。辞める理由によって扱いが変わるので、辞める前、あるいは辞めてすぐに、ハローワークで確かめておくことが大切です。

もう一つは住まいです。寮や社宅のある職場に就職した人は、仕事を辞めると住む場所も同時に失うことが考えられます。収入と住まいが一度に途切れると、次の仕事を探す足場そのものがなくなってしまいます。

課題:統計に出てこない若い人たち

この統計は雇用保険の記録から数えているため、雇用保険に入っていない働き方の人は数字に出てきません。短い時間のアルバイトで働き始めた人や、学校を出てすぐには仕事に就かなかった人は、ここには含まれていません。

また、今回の数字は2023年春に就職した人のものです。いま辞めるかどうか迷っている人の状況とは、3年の時間差があります。

仕事を失うことと住まいを失うことは、別々の問題に見えて、実際には重なって起こりがちです。辞めたあとに家賃が払えなくなりそうな方には、家賃相当額を自治体が家主に支払う「住居確保給付金」という制度があります(離職から2年以内などの条件があり、支給は原則3か月、求職活動を続けていれば最長9か月まで)。ただ、こうした制度は自分から窓口に行かないと使えません。次の仕事を探す手段が手元にないことも、立て直しを遅らせます。

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困っている方へ

最初の職場を辞めて次が決まらない、寮を出なければならない、家賃が払えなくなりそう。そうしたときは、ひとりで抱えこまずに相談してください。

NPO法人暮らし就労支援協会では、住まいのご相談と就労のご相談をお受けしています。生活保護を考えている方、家賃が払えなくなりそうな方のご相談にも応じています。相談は無料です。

失業手当のことは、お住まいの地域のハローワークで相談できます。住居確保給付金や生活のことは、お住まいの市区町村の自立相談支援窓口(生活困窮の相談窓口)でも相談できます。

出典

監修:NPO法人暮らし就労支援協会

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