緊急連絡先が見つからない。そう検索すると、有料で引き受けるというサービスがいくつも出てきます。困っている最中に見つければ、藁にもすがりたくなります。ただ、ここは契約の前にひと呼吸置いてほしいところです。
国のガイドラインが、事業者に説明を求めています
令和6年6月に、内閣官房などが「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」をまとめました。身元保証や死後の事務を有料で請け負う事業者に向けたもので、そこでは「緊急連絡先の指定の受託及び緊急時の対応」も、このサービスのひとつとして挙げられています。
ガイドラインは事業者に、緊急時に対応できる事項(土日や休日の対応体制など)とその費用を丁寧に説明すること、夜間や休日の連絡体制、どういうときに駆けつけるのかをあらかじめ説明すること、具体的な支援内容と費用は重要事項説明書で説明することを求めています。
逆に言えば、ここが曖昧なまま契約を勧めてくる相手には、国が求めている説明が足りていないということです。法的な強制力があるものではありませんが、判断の物差しにはなります。
契約の前に確かめる4つ
1つめは、何をして何をしないのかが書面にあるかどうか。連絡を受けるところまでなのか、駆けつけるのか、入院や施設入所の保証をするのか。「何でもやります」と口頭で言う相手より、「これはしません」と紙に書いてある相手のほうが信用できます。
2つめは、受付時間。24時間と書いてあるなら、受けるのが人なのか、留守番電話や自動応対なのか、そして人から折り返しが来るのはいつなのかまで聞いてください。「24時間受付」と「24時間、人が対応する」はまったく別のことです。夜中に電話がつながるかどうか、つながった先で何が起きるのかは、契約の前に確かめられることです。
3つめは、保証人ではないことが明記されているかどうか。緊急連絡先は保証人ではありません。家賃を払う義務はありません。高齢者住宅財団の家賃債務保証でも、緊急連絡先は保証人ではないとはっきり案内されています。ここを曖昧にして「保証もついています」と読めるように書いている案内は、何を契約するのか自体が不明確です。
4つめは、大家さんや保証会社に、ありのままを届け出られるかどうか。申込書は契約の前提になる書類です。誰が緊急連絡先なのかを事実と違う形で届け出れば、後から分かったときに困るのはご本人です。団体が引き受けるのであれば、団体の名前で、団体であることを明かして引き受けるのが筋だと私たちは考えています。私たちがそうしている理由も、そこにあります。
お金を払う前に、公的な窓口も見てください
自治体や社会福祉協議会が用意している仕組みもあります。たとえば東京都大田区は、緊急連絡先を担う事業者を紹介したうえで、初回の利用料の半額(上限5,000円)を助成しています。中野区社会福祉協議会の「あんしんサポート」は、入院時の不在連絡や安否確認の連絡に対応する基本サービスを年15,000円で行い、保証人や身元引受人にはなれないことをページに明記しています。対象や条件は自治体ごとに違うので、お住まいの区市町村の高齢福祉の窓口か社会福祉協議会に聞いてみてください。
横浜市でお住まいのことに困っている方は、私たちにも声をかけてください。私たちが柱にしているのは、月に1回お電話でお話しする見守り・自立支援サポートです。ふだんからお話ししている関係があって初めて、保証会社から連絡が入ったときにご本人と連絡を取れます。名前だけをお貸しすることはしていません。
2つめに書いた「受付時間」を、私たち自身についても同じように書きます。ご連絡は050-5367-5779のAIによる自動応対で、24時間・365日お受けします。人がその場でお答えすることはできません。平日10:00〜17:00に、理事長(担当役員)が折り返します。折り返しは、ご連絡をお受けしてから原則3営業日以内です(時間外・休日にお受けした分も同じお取り扱いです)。駆けつけはしません。命にかかわるおそれがあるときは、119番・110番へおかけください。電話番号は2本あり、住まいや就労のご相談は050-5896-2826(相談窓口・人がお受けします)、見守りと緊急連絡先のご連絡は050-5367-5779です。
お引き受けする場合も、緊急連絡先は保証人ではありません。家賃その他のお金を支払う義務を負わず、立て替えもしません。お部屋への立ち入り、鍵の開錠、現地への駆けつけは行いません。そして、私たちがお引き受けしても審査に通ることを約束するものではありません。法人の緊急連絡先を認めない保証会社は現にあります。
見守り・自立支援サポート(月額2,200円から)
月1回のお電話で、暮らしの変化に早めに気づくためのサービスです。3つのプランのすべてに、緊急連絡先のお引き受けが含まれます(追加料金はいただきません)。
見守り・自立支援サポートの内容と料金を見る
いまはテスト運用中で、受け入れる人数を限って始めています。すぐにはお受けできない場合があります。
緊急連絡先がなぜ求められるのかは緊急連絡先がいないと部屋が借りられないのはなぜか、保証会社が団体に何を求めているのかは保証会社が本当に見ているものに書きました。保証人がいない部屋探しは保証人なし・無職でも部屋を借りるにはをどうぞ。住まいのご相談は住居支援のページ、または無料の相談前チェックから。当会は宅地建物取引業者ではないため、お部屋の仲介はしていません。
出典
・緊急連絡先の指定の受託が身元保証等サービスに含まれること、対応事項と費用の説明・重要事項説明書についての要請:内閣官房ほか「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」(令和6年6月)表1・p.14・p.26 https://www.moj.go.jp/content/001420018.pdf(確認日2026年9月22日)
・初回利用料の助成(上限5,000円):大田区「緊急連絡先代行サービスの紹介・利用料助成」https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/fukushi/kourei/sumai/koreisha_jutakukakuho/kinkyu_daikou.html(確認日2026年9月22日)
・基本サービス年15,000円、保証人・身元引受人にはなれない旨:中野区社会福祉協議会「あんしんサポート」https://nakanoshakyo.com/service/anshin_support/(確認日2026年9月22日)
・緊急連絡先は保証人ではないこと:一般財団法人高齢者住宅財団「家賃債務保証 よくあるご質問」Q16 https://www.koujuuzai.or.jp/service/rent_guarantees/faq-rg/(確認日2026年9月22日)


コメント