保証人がいなくても部屋を借りる道がある|居住支援法人という仕組み

住まい

「保証人になってくれる人がいません」。相談の場でいちばん多く聞く一言かもしれません。次に多いのが「年齢で断られました」。仕事も貯金もそれなりにあるのに、申込書を出す前の電話の段階で終わってしまう。そういう話を、毎月のように聞きます。

不動産会社や大家さんの側にも事情はあります。家賃が滞ったときに誰が責任を取るのか、室内で何かあったときに誰が連絡先になるのか。そこが見えないと貸せない、という判断そのものは、意地悪でされているわけではありません。

だから国は、貸す側の不安を引き受ける役割を、法律のなかに作りました。それが居住支援法人です。

都道府県が指定する法人

居住支援法人は、住宅セーフティネット法(住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律)にもとづいて、都道府県が指定します。NPO法人や社会福祉法人、一般社団法人、株式会社などが指定を受けています。

指定を受けた法人が担うのは、おおむね次のような業務です。

  • 住まいを探している方への情報提供と相談
  • 入居後の見守りなど、暮らしを支える生活支援
  • 登録住宅に入る方の家賃債務保証
  • 入居者が亡くなったときの残置物の処理(2025年10月1日から業務に加わりました)

最後の残置物の処理は、読む人にとっては縁遠く感じるかもしれません。しかし高齢の単身の方が入居を断られる理由の上位が、まさにここでした。亡くなったあとの部屋の片づけを誰がするのか。その心配に答える仕組みが法律に入ったことで、貸す側の見方は少しずつ変わってきています。

(出典:国土交通省「住宅確保要配慮者居住支援法人」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000055.html /確認日 2026-08-24)

「住宅確保要配慮者」に自分が当てはまるか

法律が支援の対象としているのは、住宅確保要配慮者と呼ばれる方々です。難しい言い方ですが、中身は具体的です。法律に書かれているのは、低額所得者、被災者、高齢者、障害のある方、子育て世帯。ここに省令で外国人などが加えられ、さらに自治体ごとに独自の対象を上乗せできることになっています。

つまり「収入が低い」という一点だけでも対象になり得ます。特別な事情がなければ使えない制度だと思って、自分から外している方がいますが、そうではありません。

入居を拒まない住宅が登録されている

もうひとつ知っておいてほしいのが、セーフティネット住宅です。これは「要配慮者の入居を拒まない」ことを条件に登録された賃貸住宅で、国土交通省が運営する情報提供システムで検索できます。

セーフティネット住宅 情報提供システム(国土交通省)

https://safetynet-jutaku.mlit.go.jp/guest/
都道府県・市区町村や、受け入れる対象(高齢者・障害者・子育て世帯など)で絞り込んで探せます。

正直に書いておくと、登録されている物件の数には地域差があります。都市部でも、条件に合う部屋がすぐ見つかるとはかぎりません。それでも、断られ続けている状態から一歩進める入口にはなります。

保証人がいないときの現実的な順番

保証人が立てられないとき、実際には次のどれかで進むことが多いです。

まず家賃債務保証会社を使う道。いまは保証人ではなく保証会社を条件にする物件のほうが多数派です。ただし審査があり、過去の滞納や信用情報の状況によっては通らないことがあります。ここで詰まる方が少なくありません。

次に、居住支援法人が関わる道。相談を受けた法人が大家さんや管理会社と直接話し、入居後の見守りまで含めて調整します。保証会社の審査が通りにくい方にとっては、この「人が間に入る」ことの効き目が大きい。

そして自治体の窓口。都道府県には居住支援協議会が置かれていて、不動産関係の団体や福祉の関係者が参加しています。市区町村の福祉の窓口でも、地域の居住支援法人につないでもらえることがあります。

審査で落ちる理由と対処は入居審査に落ちる理由の記事に、保証人なしで探すときの実務は保証人がいないときの記事にまとめています。生活保護を利用しながら部屋を探す場合は、住宅扶助の上限も先に見ておいてください。

私たちの現在地

当会は、この居住支援法人の指定に向けて準備を進めているところです。まだ指定は受けていません。ここは正確に書いておきます。

指定の有無にかかわらず、いまも住まいの相談はお受けしています。大家さんや管理会社と話をして、保証人や保証会社を求められない部屋のご相談に乗る。入居後に困りごとが出たら間に入る。やっていることは変わりません。当会は宅地建物取引業者ではないため、物件の仲介はせず、仲介手数料もいただきません。

住まいのことは、こじれてからだと動かせる幅が狭くなります。退去を求められている、更新を断られた、そういう段階でも構いませんので、無料の相談前チェックから状況を書いて送ってください。住まいの支援のページにも、私たちができることをまとめています。

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