離婚の話し合いが終わり、引っ越しや子どもの転校の手続きに追われているうちに、手当の申請が後回しになる。ひとり親になったばかりの方から、よく聞く流れです。
児童扶養手当は、申請した月の翌月分から支給が始まります。法律でそう決まっていて、さかのぼって受け取ることはできません。災害などやむを得ない理由があった場合の例外はありますが、忙しくて行けなかったはこれに当たりません。ひとり親になったら、まず市区町村の窓口に行ってください。
対象になる家庭
こども家庭庁の資料では、対象は18歳になった後の最初の3月31日までの子ども(障害のある子は20歳未満)を育てている母などです。父母が離婚した、父か母が亡くなった、父か母が一定の障害の状態にある、父か母の生死が分からない、といった場合が支給要件に入っています。
父子家庭も平成22年8月から対象になりました。配偶者からの暴力で裁判所の保護命令が出された場合も、平成24年8月から要件に加わっています。祖父母などが親の代わりに子どもを育てている場合も、養育者として受け取れることがあります。
令和7年3月時点で、手当を受けている人は全国で777,962人です。内訳は母が738,913人、父が35,915人、養育者が3,134人。父子家庭や祖父母の受給は数としては少ないので、自分は対象ではないと思い込んでいる方がいるかもしれません。対象になるかどうかは、窓口で事情を話して確かめてください。
令和8年4月分からの手当額
| 月額 | 全部支給 | 一部支給 |
|---|---|---|
| 子ども1人目 | 48,050円 | 48,040円〜11,340円 |
| 2人目以降の加算(1人につき) | 11,350円 | 11,340円〜5,680円 |
手当額は物価の動きに合わせて毎年度見直されます。令和7年度は1人目の全部支給が46,690円でした。3人目以降の加算は、令和6年11月分から2人目と同じ額に引き上げられています。子どもが多い家庭ほど、以前の額で覚えていると少なく見積もってしまいます。支払いは1月、3月、5月、7月、9月、11月の年6回で、2か月分ずつ振り込まれます。
所得制限は「全部」と「一部」の2段階
前年の所得によって、満額が出る全部支給、減額される一部支給、支給されない、の3通りに分かれます。限度額は令和6年11月分から引き上げられました。受給する本人の限度額を、給与収入に直した目安で並べます。
| 扶養する子ども等の数 | 全部支給(収入の目安) | 一部支給(収入の目安) |
|---|---|---|
| 1人 | 190万円 | 385万円 |
| 2人 | 244.3万円 | 432.5万円 |
| 3人 | 298.6万円 | 480万円 |
これは目安で、実際の判定は所得額で行います。同居している祖父母など、扶養義務のある家族の所得にも制限があります。実家に戻って暮らしている方は、その分も含めて窓口で確かめてください。
障害年金を受けているひとり親の方
以前は、障害基礎年金を受けていると、その額が手当より多い場合は児童扶養手当を受け取れませんでした。令和3年3月分からは比べ方が変わり、障害年金の子の加算部分と手当を比べて、手当のほうが多ければ差額を受け取れるようになっています。あわせて、所得制限を判定するときの所得には、障害年金のような非課税の公的年金も含めて数えることになりました。遺族年金や老齢年金など障害年金以外の公的年金を受けている方は、年金の額が手当より低ければ、その差額を受け取れます。年金を受けているから手当は無理、と決めずに一度聞いてみてください。障害年金の請求そのものについては障害年金の請求の記事に書きました。
生活保護を受けている場合
生活保護を受けていても、児童扶養手当は申請します。生活保護は他の制度で受けられるものを先に使う仕組みだからです。そして受け取った手当は、年金などと同じ公の給付として、実際の受給額が収入に数えられます。手当の分だけ保護費は減ることになります。
それなら申請しても同じでは、と思うかもしれません。ただ、生活保護にはひとり親世帯への母子加算や、子育て世帯への児童養育加算があり、最低生活費そのものに上乗せされます。手当と加算は別の仕組みです。詳しくは母子加算・児童養育加算の記事を読んでください。学校にかかるお金は教育扶助の記事にまとめています。
申請するときは
申請先はお住まいの市区町村の担当窓口です。必要な書類は家庭の事情によって違うので、行く前に電話で何を持っていけばいいか聞いておくと二度手間になりません。書類がすぐにそろわないときの扱いも、そのとき一緒に聞いてください。支給がいつから始まるかは、認定を請求した月で決まります。月末に請求するか、翌月の初めにずれ込むかで、1か月分が変わります。
手当だけでは家賃や生活費が回らない方は、生活保護の相談も同時にできます。申請の流れはこちらです。どこから手をつければいいか分からないときは、無料の相談前チェックに、いまの暮らしの様子を書いて送ってください。私たちから折り返しご連絡します。
出典
・支給対象者、支給要件、令和8年4月からの手当額と令和7年度の単価、所得制限限度額(2人世帯)、支給期月、受給者数:こども家庭庁「児童扶養手当制度の概要」(令和8年4月8日掲載資料更新)こども家庭庁 資料PDF
・令和6年11月分からの所得限度額と第3子以降の加算額の引き上げ:こども家庭庁「『児童扶養手当』に関する大切なお知らせ」こども家庭庁 資料PDF
・父子家庭への支給、DVの保護命令、障害年金との調整の見直しと所得の算定、障害年金以外の公的年金との差額支給:こども家庭庁「児童扶養手当について」https://www.cfa.go.jp/policies/hitori-oya/fuyou-teate、同「障害基礎年金等を受給しているひとり親のご家庭の皆さま」こども家庭庁 資料PDF
・令和8年4月分からの改定額(確定額の確認):練馬区「児童扶養手当・特別児童扶養手当の手当額(月額)が変わります。」https://www.city.nerima.tokyo.jp/kosodatekyoiku/kodomo/teateiryo/jido/teategaku.html
・支給の開始月:児童扶養手当法第7条 e-Gov法令検索https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000238
・公の給付の収入認定:厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」第8https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta8431&dataType=1&pageNo=1
(いずれも確認日2026年10月14日)


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