仕事に就いても、数か月で体調を崩してしまう。面接は通るのに、続かない。一般の職場で働くことがつらくなっている方から、こういう相談を受けることがあります。そのときに「福祉サービスを使う道もあります」と話すと、初めて聞いたという顔をされることが少なくありません。
障害福祉サービスの中には、働くための訓練や、無理のないペースで働ける場を用意する仕組みがあります。ただし名前が似ていて、違いが分かりにくい。ここで整理しておきます。
先にお断りしておくと、当会自身は障害福祉サービスの事業者ではありません。この記事は制度の説明で、事業所の紹介やあっせんはしていません。
3つのサービスを、厚生労働省の説明で並べてみます
厚生労働省の整理では、就労系の障害福祉サービスは大きく3つです。
就労移行支援
一般の企業に雇われることを目指して、訓練や職場体験、求職活動の支援を受けます。対象は、就労を希望する65歳未満の障害のある方で、一般の事業所に雇用されることが見込まれる方です。利用期間は原則2年以内です。
就労継続支援A型(雇用型)
一般企業で雇われるのは難しいものの、雇用契約を結んで働くことはできる方が対象です。雇用契約に基づいて働く場を提供し、訓練も受けます。利用期間は原則3年以内で、更新できます。
就労継続支援B型(非雇用型)
一般企業で雇われることが難しく、雇用契約に基づいて働くことも難しい方が対象です。雇用契約を結ばない形で、生産活動などの場を提供します。厚生労働省は、50歳以上の方や障害基礎年金1級の方、就労移行支援を利用していない方などを対象として示しています。利用期間は原則3年以内で、更新できます。
また、これらのサービスを使って新たに雇用された方が、職場に長く定着できるよう支える「就労定着支援」というサービスもあります。就労後6か月以上働き続けている方が対象で、企業との連絡調整や、職場生活の相談を受けられます。
(出典:厚生労働省「障害福祉サービスの内容」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/naiyou.html 確認日2026年9月20日)
違いの分かれ目は「雇用契約があるかどうか」
ここが一番迷うところなので、ひと言でまとめると、雇用契約があるのがA型、ないのがB型です。雇用契約があれば、労働者として労働基準法などの保護を受ける立場になります。B型は雇用契約がない分、体調に合わせて通う日数や時間を調整しやすい反面、支払われるのは賃金ではなく工賃という扱いになります。
移行支援は、この2つとは性質が違います。就職して働くことがゴールで、そのための訓練の場です。すぐに一般就労を目指すのか、まず働く感覚を取り戻すのかで、選ぶサービスが変わってきます。
障害者手帳が必要かどうかは、最初に区役所へ確認してください
「手帳がないと利用できないのでは」と心配する声をよく聞きます。厚生労働省の説明で示されているのは、対象となる方の状態(就労を希望する、一般の企業での雇用が見込まれる、など)であって、手帳の有無を条件にしているようには書かれていません。ただ、実際にどの書類を求められるかは自治体の運用によります。この記事では、手帳がなくても使えると断定はしません。まず区役所で確認してください。
横浜市の場合、障害福祉サービスの利用手続きは、住んでいる区の福祉保健センター(18歳以上は高齢・障害支援課)への事前相談から始まります。そのあと申請、サービス等利用計画案の作成(自分で作るセルフプランも認められています)、支給決定、事業所との契約という流れです。事業所と契約するときは「受給者証」を提示します。
(出典:横浜市「障害福祉サービスの利用手続きについて」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kenko-iryo-fukushi/fukushi-kaigo/fukushi/annai/sogoshien/sf-service.html 確認日2026年9月20日)
精神疾患で通院している方は、通院費が軽くなる自立支援医療とあわせて相談窓口で聞いてみるのも手です。
生活保護を受けているときは、先にケースワーカーへ
生活保護を受けている方がこれらのサービスを使うときの扱いは、この記事では断定できません。A型で雇用契約を結んで賃金を得た場合の収入認定など、生活保護側の扱いは福祉事務所の判断になります。働き方を変える前に、担当のケースワーカーに必ず相談してください。働きながら保護を受ける場合の考え方はこちらの記事、うつ病などで働けない期間の考え方はこちらの記事に整理しています。職業訓練という別の道もあるので、職業訓練の記事もあわせてご覧ください。
一人で決めなくて大丈夫です
どのサービスが自分に合うのか、そもそも自分が対象になるのかは、一人で調べても分かりにくいものです。私たちは横浜市西区で仕事と住まいの相談をお受けしています。事業所の紹介はしていませんが、窓口に何を聞けばいいかを整理するところから一緒にできます。まずは無料の相談前チェックからご連絡ください。


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