夏のボーナスは平均44万9千円。でも4つに1つの職場は払っていない|飲食は8万円、生活保護を受けながら働く人は届け出を

電卓と硬貨(生活保護費の計算イメージ) 仕事・自立

11月6日、9月の賃金と「夏のボーナス」の集計が公表されました

厚生労働省は2026年11月6日、「毎月勤労統計調査」の9月分の速報を公表しました。働く人の給料や労働時間を毎月まとめている統計です。9月分の速報には、毎年この時期に、その年の夏のボーナス(6月〜8月に支払われた賞与)を特別に集計した結果が添えられます。

  • 9月の給料(現金給与総額・1人平均):31万1,409円(去年の9月より4.6%増)
  • 実質賃金:去年の9月より2.2%増(9か月連続のプラス)
  • 夏のボーナス(ボーナスを支給した事業所の1人平均):44万8,765円(去年より5.3%増)

給料もボーナスも増えた、という発表です。ただ、ボーナスの集計を細かく見ると、そもそも支給されていない職場がかなりあることも分かります。

わかりやすく言うと

ニュースで「夏のボーナスは平均44万円」と聞くと、多くの人がそのくらいもらっているように感じます。けれど、この44万8,765円は「ボーナスを支給した事業所」だけで計算した平均です。払わなかった事業所は、最初から計算に入っていません。

集計表には、ほかにも次の数字が載っています(従業員5人以上の事業所)。

  • 夏のボーナスを支給した事業所の割合:74.0%(去年は73.4%)
  • 支給した事業所で働いている人の割合:85.1%
  • 支給しなかった事業所も含めた、全員の1人平均:38万1,899円
  • 支給額は、毎月の給料のおよそ1.04か月分

事業所の数で見ると、4つに1つ(26.0%)は夏のボーナスを支給していません。また、支給した事業所の平均にも、その職場の中でボーナスをもらっていない人が含まれています。パートや契約社員にはボーナスがない、という職場も少なくありません。

平均は、金額の大きい人に引っぱられて高めに出ます。「平均より少ない」と感じる人のほうが多いのは、そのためです。

メリット:給料は上がり、パートの時給も伸びている

明るい材料もあります。9月の給料は、物価の上がり方(2.4%)を上回って伸びました。実質賃金のプラスは9か月続いています。去年の今ごろは実質賃金のマイナスが続いていたので、流れは変わってきています。

パートで働く人の時給(所定内給与を時間あたりにしたもの)は1,463円で、去年より5.4%上がりました。厚生労働省の発表では、63か月連続のプラスです。この秋から各地で順に最低賃金が引き上げられているので、時給はこの先も上がると考えられます。

また、医療・福祉の職場では、夏のボーナスを支給した事業所が81.3%で、1人平均は29万8,773円(去年より5.9%増)でした。介護や医療の職場は、パートの求人が多いだけでなく、ボーナスを支給する事業所の割合も平均より高い、ということになります。

デメリット・注意点:業種によって、ボーナスは別の話になる

業種ごとの差は大きく、次のようになっています(支給した事業所の1人平均と、支給した事業所の割合)。

  • 飲食サービス業など:8万1,647円(支給した事業所は51.2%)
  • 理美容・娯楽などの生活関連サービス業:21万8,172円(58.0%)
  • 医療・福祉:29万8,773円(81.3%)
  • 卸売業・小売業:39万438円(72.0%)

飲食の職場では、ボーナスを支給したのは半分ほどで、支給した職場でも給料の0.39か月分でした。パートで働く人が多い業種ほど、ボーナスは小さいか、ない、という傾向がはっきり出ています。

仕事を探すときは、求人票の「賞与」の欄を見てください。「あり」と書いてあっても、前の年の実績や、パートにも支給されるのかは求人ごとに違います。分からないときは、応募する前にハローワークの窓口で確かめてもらうことができます。

課題:ボーナスを当てにした家計は、一度崩れると立て直しにくい

ボーナスは、毎月の給料と違って、会社の業績や働き方の変化で減ったりなくなったりします。ローンや滞納の返済を「ボーナスで払う」予定にしていると、出なかったときにまとめて行き詰まります。転職したばかりの人や、パートから始めた人は、最初の年はボーナスがない、または少ないこともあります。

もう一つ、見落とされやすい点があります。生活保護を受けながら働いている方が賞与を受け取ったときは、福祉事務所へ届け出る必要があります。生活保護法第61条で、収入に変動があったときの届け出が義務づけられています。厚生労働省の通知では、賞与の支給月には申告をして給与証明を出してもらい、賞与は原則として支給された月の収入として全額を認定することとされています。ただし、それが適当でない場合は、支給月から6か月以内の期間に分けて認定する扱いもあります。

届け出をしないままにすると、あとで保護費を返すことになる場合があります。一方で、働いて得た収入には勤労控除という仕組みがあり、収入の全額が保護費から差し引かれるわけではありません。どう計算されるかは、担当のケースワーカーに確認してください。

ボーナスがあてにできない以上、家計は毎月の給料の範囲で回る形にしておくことが大切です。入ってくるお金をすぐに増やすのは難しくても、毎月出ていくお金は見直せるものがあります。

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困っている方へ

ボーナスが出ず、返済や家賃の支払いが苦しくなっている。パートの収入だけでは暮らしが回らない。生活保護を受けながら働いていて、賞与の届け出や計算のことが分からない。そうしたときは、ひとりで抱えこまずに相談してください。

NPO法人暮らし就労支援協会では、住まいのご相談と就労のご相談をお受けしています。生活保護を考えている方、家賃が払えなくなりそうな方のご相談にも応じています。相談は無料です。

生活保護を受けている方の収入の届け出は、担当の福祉事務所が窓口です。生活全般のことは、お住まいの市区町村の自立相談支援窓口(生活困窮の相談窓口)でも相談できます。

出典

※夏のボーナスの数字は、事業所規模5人以上の結果です。毎月勤労統計の速報値は、確報で改訂されることがあります。

監修:NPO法人暮らし就労支援協会

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