「緊急連絡先を引き受けてくれる団体を見つけました」。そう言って持ってきた書類が、保証会社の審査で止まることがあります。団体の名前が入っていれば通る、というわけではないからです。保証会社は、その団体に何ができるのかを見ています。
求めているのは、名前ではなく「連絡がつくこと」
国の調査に、法人を緊急連絡先として認める保証会社が、その法人に何を求めているかを聞いた項目があります(複数回答)。
| 法人に求めること | 割合 |
|---|---|
| 家賃滞納やトラブルのときに、賃借人と連絡がとれる | 47.4% |
| 緊急時の安否確認や駆け付けができる | 47.4% |
| 特に条件は求めていない | 31.6% |
| 行方不明時の捜索/金銭・財産管理/死後事務委任等(それぞれ) | 5.3% |
| 家財処分・遺品整理 | 0.0% |
財産管理も死後事務も、求めている会社はごくわずかです。上位に来ているのは、連絡がとれることと、安否が確かめられること。どちらも47.4%でした。
保証会社の立場で考えると分かります。家賃が入らない。電話をかけても出ない。そのとき知りたいのは、この人が無事なのか、どうすれば話ができるのか、それだけです。緊急連絡先は、そこで最初に叩く扉です。
だから、名前だけの登録では役に立ちません
ふだん何のやり取りもない団体が緊急連絡先の欄に入っていても、いざ連絡が入ったときにご本人の携帯番号を持っているとは限りません。番号が変わっていることもある。携帯が止まっていることもある。連絡がつかなければ、保証会社から見れば緊急連絡先が空欄だったのと同じです。
実際、生活が苦しくなると真っ先に切れるのが通信です。料金が払えず携帯が止まり、連絡が取れなくなって、支援も仕事も止まる。これは申請中こそ電話がいるの記事でも書いたとおりで、私たちが現場で何度も見てきたことです。
連絡がつく状態を、ふだんから作っておく
私たちが緊急連絡先のお引き受けを見守り・自立支援サポートとセットにしているのは、この一点のためです。月に1回、私たちからお電話をして5分から10分ほどお話しします。出られなかったときは、ご登録いただいた連絡手段にメッセージをお送りします。「元気です」の一言で構いません。
この積み重ねがあると、保証会社から連絡が入ったときに、最後に話したのがいつで、どの手段なら届くのかが分かっています。番号が変わっていれば、変わった時点で私たちが把握しています。緊急連絡先として意味を持つのは、この状態を保っているときだけです。だから私たちは、月に1回お電話でお話しする見守り・自立支援サポートを柱にしています。
引き受けないことも、はっきり書きます
調査でもう一方の47.4%だった「駆け付け」を、私たちは行いません。有給の職員がいない団体が、夜中に人を出す約束をするべきではないと考えています。守れない約束を書類に書けば、いちばん困るのは信じて契約したご本人です。
お引き受けするのは、ご連絡を受けること、ご本人に連絡を取ること、つながったかどうかを先方にお伝えすること。連絡がつかないときは、あらかじめご本人が同意した先(ケースワーカーやご家族)にお知らせします。命にかかわるおそれがあると判断したときは、110番・119番や管理会社へ対応をお願いします。私たち自身が現場へ向かって救助することはしません。
受け方も、あらかじめ書いておきます。保証会社・管理会社・大家さんからのご連絡は、050-5367-5779のAIによる自動応対で、24時間・365日お受けします。人がその場でお答えすることはできません。平日10:00〜17:00に、理事長(担当役員)が折り返します。折り返しは、ご連絡をお受けしてから原則3営業日以内です(時間外・休日にお受けした分も同じお取り扱いです)。駆けつけはしません。命にかかわるおそれがあるときは、119番・110番へおかけください。
電話番号は2本あります。住まいや就労のご相談は050-5896-2826(相談窓口・人がお受けします)、見守り・自立支援サポートと緊急連絡先のご連絡は050-5367-5779(AIがお受けして、あとから折り返します)です。
緊急連絡先は保証人ではありません。家賃その他のお金を支払う義務を負わず、立て替えもしません。そして、私たちがお引き受けしても審査に通ることを約束するものではありません。駆け付けを求める保証会社には、私たちの条件では通りません。
高齢者住宅財団の家賃債務保証のように、緊急連絡先は保証人ではないとはっきり書き、法人でも構わないと案内している制度もあります。どの保証会社を使う物件なのかによって、通る・通らないが分かれます。お部屋を決める前に確かめてください。
見守り・自立支援サポート(月額2,200円から)
月1回のお電話と、出られないときのメッセージ。3つのプランのすべてに、緊急連絡先のお引き受けが含まれます(追加料金はいただきません)。
見守り・自立支援サポートの内容と料金を見る
いまはテスト運用中で、受け入れる人数を限って始めています。すぐにはお受けできない場合があります。
そもそも緊急連絡先がなぜ求められるのかは緊急連絡先がいないと部屋が借りられないのはなぜかに、保証人がいない場合の部屋探しは保証人なし・無職でも部屋を借りるにはにまとめています。住まいのご相談は住居支援のページ、または無料の相談前チェックからどうぞ。当会は宅地建物取引業者ではないため、お部屋の仲介はしていません。
出典
・法人を緊急連絡先として認める場合に法人へ求めること(連絡がとれる47.4%/安否確認・駆け付け47.4%/特に条件を求めていない31.6%/行方不明時の捜索・金銭財産管理・死後事務委任等 各5.3%/家財処分・遺品整理0.0%):厚生労働省・国土交通省・法務省「住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関するこれまでの議論の整理(中間とりまとめ素案)参考資料」資料3 p.10・23・24(令和5年度 国土交通省調査の速報値、回答は登録事業者83者)
https://www.mhlw.go.jp/content/12501000/001147836.pdf(確認日2026年9月22日)
・緊急連絡先は保証人ではないこと、法人でも可とする取扱い:一般財団法人高齢者住宅財団「家賃債務保証 よくあるご質問」Q16 https://www.koujuuzai.or.jp/service/rent_guarantees/faq-rg/(確認日2026年9月22日)


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