「ポイントを貯めていたら保護を打ち切られると聞いたのですが」。この質問を受けるたびに、まずいったん落ち着いてもらうところから始めます。
インターネットには不安をあおる情報ばかりが並んでいて、制度としてどこに線が引かれているのかを書いたものが少ない。それで、レジでカードを出すのもためらう、という状態になっている方がいます。節約したいのに節約の手段を使えないのは、本末転倒です。
線引きは、思われているほど複雑ではありません。
買い物でついたポイントは、値引きと同じ
国が示している整理はこうです。商品を買ったときに付与されるポイントのように、店舗や企業の割引・サービスの一環という性格を持つものについては、収入として認定しない。
考えてみれば当然で、これを収入と見るなら、スーパーの割引シールも、タイムセールも収入になってしまいます。ポイントカードを提示して1%分が貯まることと、100円引きのシールが貼られた惣菜を買うことに、本質的な差はありません。
ですから、日々の買い物でポイントを貯めること自体を恐れる必要はありません。
(出典:厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta8431&dataType=1&pageNo=1 /確認日 2026-08-24。ポイントの具体的な取扱いは、これに関する国の問答集で示されています)
性質が変わるのはどこか
一方で、同じ「ポイント」と呼ばれていても、性質がまったく違うものがあります。
申告が必要になりうるもの
・ネット回線やクレジットカードの新規契約でもらう報酬
・ポイントサイトを経由して得た報酬
・キャッシュバック
・フリマアプリでものを売った代金
・ポイントを現金や電子マネーに換えたもの
・抽選やキャンペーンで臨時に当たったポイント
共通しているのは、買い物の値引きではないという点です。何かを買ったからついてきたのではなく、契約したこと、紹介したこと、売ったことへの対価として受け取っている。現金と同じように使えるものは、現金と同じように扱われる。そう考えるとわかりやすいと思います。
金額が小さいから大丈夫、という話でもありません。額の大小ではなく、性質で分かれます。
判断には自治体差があります
ここは正直に書きます。実際の運用には幅があります。同じ内容でも、市によって、担当者によって、扱いが違うことがあります。
ですから、この記事を読んで「大丈夫だと書いてあった」と自己判断するのではなく、ケースワーカーに確認してください。「フリマで古い服を売って3,000円になったのですが、申告が要りますか」と聞けばいいだけです。聞いたことで不利になることはありません。
隠すほうが、はるかに重い
不安の中心にあるのは「バレるのか」だと思います。ここもはっきり書きます。
福祉事務所には、資産や収入について金融機関などに調査する権限があります。あとから発覚した場合、返還を求められるだけでなく、悪質と判断されれば法律上の重い扱いになります。
逆に言えば、申告していれば不正受給にはなりません。申告した収入がある場合、その全額が保護費から差し引かれるとは限らず、働いて得た収入には控除の仕組みもあります(このあたりは働きながら生活保護を受ける場合の記事や支給額の考え方に書きました)。
黙っていて得をする構造にはなっていません。申告して、線引きを確かめて、安心して使う。それが一番損の少ない道です。
生活保護を受けていない方にとっては
ここまでは受給中の方の話でした。受けていないけれど生活が厳しい、という方にとっては、ポイントは単純に節約の手段です。収入認定を気にする必要はありません。
そのうえで、ひとつだけ注意を書いておきます。ポイントを目当てに、要らないものを買ってしまうことです。5%還元のために1万円使えば、500円分は戻っても9,500円は出ていきます。還元率の高さに引かれて予定になかった買い物をするなら、貯めないほうがまだ安い。
家計を本気で立て直すなら、順番があります。ポイントは最後です。先に手をつけるのは毎月自動的に出ていくお金のほうで、これは固定費から見直す記事にまとめました。通信費をひとつ下げるほうが、一年分のポイントより効きます。
迷ったら聞いてください
制度の線引きを知らないまま不安を抱えているより、確かめてしまうほうが軽くなります。ケースワーカーに直接聞きづらいことなら、私たちが間に入って整理することもできます。
無料の相談前チェックから、気になっていることを書いて送ってください。ポイントの話でも、家計の話でも構いません。


コメント