相談を受けていると、話が途中で切れてしまうことがあります。折り返しても繋がらない。何日かして、公衆電話や知人の携帯から連絡が入る。「料金が払えなくて止まりました」と。
携帯が止まることは、単に不便になるという話ではありません。生活を立て直す手順そのものが止まります。
連絡先がないと、何が止まるのか
求人に応募できません。応募書類には必ず連絡先を書く欄があり、そこが空いていると先に進めない。仮に書けたとしても、面接の日程は電話かメールで来ます。折り返せなければ、そこで終わります。
福祉事務所からの連絡も届きません。生活保護の手続きでは、書類の不足や訪問の日程調整で、担当のケースワーカーから何度か連絡が入ります。繋がらない期間が続くと、確認が取れないまま手続きが滞ります。
不動産会社からの入居の可否も、電話で来ます。申し込んだ部屋の審査結果が出ても、伝える先がない。
申請から決定までの「空白期間」
生活保護の申請をしてから決定の通知が届くまで、法律上は原則14日以内、事情があるときでも30日以内とされています。ただ実務では、書類の確認や調査に時間がかかり、手元に保護費が入るまでは1か月程度みておいたほうがよいというのが、私たちが現場で見ている感覚です。
この空白期間が、いちばん連絡手段の要るときです。役所からの連絡を受け、住まいを探し、体調が許せば仕事も探し始める。全部が電話とメールの上で動きます。所持金が尽きかけている時期でもあるので、ここで携帯が止まると、立て直しの入口で足が止まってしまいます。
訪問と居住確認のこと
保護が始まると、ケースワーカーが定期的に自宅を訪問します。生活の状況を確かめるためです。ただ、通院や求職で外に出ていて、訪問のときにたまたま不在ということもあります。
そのときに電話が繋がるかどうかで、話の進み方が変わります。連絡がつけば、その場で状況を伝えられますし、次の訪問日も決められる。逆に何度も不在で連絡も取れないとなると、居住の実態を確かめる作業に時間がかかります。電話一本で済むことが、繋がらないと何往復もかかる。そういう場面を何度も見てきました。
保護が決まったあとが、本当の出口
保護費が出るようになったら、次は本人名義の携帯を持てるようにすることを考えます。人の携帯を借りている状態では、就職活動は思い切りやれません。面接の連絡を人づてに受け取るのは、気を遣いますし、遅れます。
自分の連絡先を持てると、応募の数が増えます。増えると、決まる確率が上がる。私たちが見てきた範囲では、連絡先が安定した方から順に就職の話が動き出しています。携帯を持つことは、贅沢ではなく自立の道具だと考えています。
いま止まっている方へ
契約を断られた、料金の滞納が残っている、という状態でも、連絡手段を取り戻す道はいくつかあります。公衆無線LANとメール、プリペイドSIM、格安SIMなど、状況によって選べるものが違います。具体的な手順は携帯が止まった・新規契約も断られたときにできることにまとめました。
なお、この記事では特定の通信会社をおすすめすることはしません。料金も条件もよく変わりますし、どれが合うかは今の状況によります。ご自身で比べるのが難しければ、相談のときに一緒に整理します。
私たちにできること
暮らし就労支援協会では、生活保護の申請、住まいのこと、仕事のことをまとめてご相談いただけます。連絡手段のことも、そのなかの一つとして一緒に考えます。連絡先の確保についてもご相談いただけますので、「どうにもならない」と決める前に、一度声をかけてください。
申請の流れや就労支援のページもあわせてご覧ください。まずは無料の相談前チェックから。今つながる番号がなければ、メールでも構いません。
出典:厚生労働省「生活保護制度」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatuhogo/index.html /2026年8月18日確認)


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