パート・契約社員のルールが10月から変わります|正社員との待遇の差、理由を聞いていいと書面で知らされます

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10月1日から、パートやアルバイト、契約社員など、短い時間や期間を決めて働く人のルールが一部変わります。厚生労働省が4月28日に省令と告示を改正したもので、施行まであと2週間あまりです。

いちばん身近な変化は、雇われるときに渡される労働条件通知書などに、「正社員との待遇の差について、会社に説明を求めることができる」と書かれるようになることです。

何があったのか

今回の改正は3つに分かれています。

何が どう変わるか
雇い入れのときに知らせる事項(パートタイム・有期雇用労働法施行規則) 昇給・退職手当・賞与の有無、相談窓口に加えて、「待遇の差について説明を求めることができる」ことを明示する。違反した事業主は10万円以下の過料
同一労働同一賃金ガイドライン(告示) どんな待遇の差が不合理にあたるか、の具体例が増える
雇用管理指針(告示) 待遇の差を説明するときのやり方、正社員への転換の進め方などが加わる

2018年の働き方改革関連法で入った「同一労働同一賃金」のルールが施行から5年を迎え、その見直しとして行われたものです。派遣で働く人についても、同じ方向の見直しが同じ日から適用されます。

「同一労働同一賃金」をかみくだくと

同じ会社の中で、正社員とパート・有期雇用の人とのあいだに、仕事の中身や責任の違いでは説明のつかない差をつけてはいけない、という決まりです。基本給だけでなく、手当や休暇、福利厚生も対象になります。

ガイドラインは、どんな差が「不合理」にあたるかの考え方と例を国が示したものです。今回、次の待遇についての記載が加わりました。

  • 家族手当:契約の更新を繰り返しているなど、この先も続けて働くことが見込まれる人には、正社員と同じ家族手当を支給する
  • 住宅手当:転居を伴う異動があるかどうかで支給している手当なら、正社員と同じように転居を伴う異動がある人には、同じ住宅手当を支給する
  • 夏季・冬季休暇:パート・有期雇用の人にも、正社員と同じ休暇を与える
  • 無事故手当:正社員と業務の内容が同じなら、同じ手当を支給する
  • 褒賞(勤続表彰など):正社員と同じ期間勤めた人には、同じ褒賞を与える
  • 賞与・退職手当:その目的が当てはまるのに、働き方の違いに見合った分をまったく出さない場合は、不合理とされる可能性がある

病気で休むときの給与の保障についても、続けて働くことが見込まれる人には正社員と同じ保障を、という記載が充実しました。

働く人にとって良くなること

実は、説明を求める権利そのものは前からありました。パートタイム・有期雇用労働法の第14条第2項で、パート・有期雇用の人から求められたら、事業主は待遇の差の内容と理由を説明しなければならないと決まっています。同じ条の第3項では、説明を求めたことを理由に解雇したり、不利益に扱ったりすることも禁じられています。

ただ、この権利はほとんど知られていませんでした。10月からは、雇われる時点で書面に書いて渡されます。「聞いてもいいことなんだ」と分かっているかどうかで、声のかけ方は変わります。

もう一つは、待遇の差をなくすときに、正社員の待遇を下げてそろえるのではなく、パート・有期雇用の人の側を良くすることが求められる、とガイドラインにはっきり書かれたことです。

注意して見ておきたいこと

書面で知らされるのは、10月1日以降に新しく雇われる人です。すでに働いている人については、契約を更新するときなどに知らせることが「望ましい」とされているにとどまります。何も渡されなかったとしても、説明を求める権利はもともとあるので、あきらめる必要はありません。

家族手当と病気休職の保障は「続けて働くことが見込まれる」人が対象で、住宅手当は正社員と同じように転居を伴う異動がある人が対象です。短い契約で働いている人や、異動のない働き方をしている人が、今回の追加だけで正社員と同じ額になるわけではありません。

ガイドラインは法律そのものではなく、国の考え方を示した指針です。差が不合理かどうかは、最終的には待遇ごとに、仕事の中身や責任、異動の範囲などを見て判断されます。

生活保護を受けながら働いている方は、手当や賞与が新しくついたら、それも収入として申告してください。働いて得た収入には勤労控除という仕組みがあり、増えた分がそのまま全部差し引かれるわけではありません。

課題 ― 聞けるようになっても、聞きにくい

私たちのところに相談に来る方の多くは、小さな職場で短い契約を重ねて働いています。次の更新がかかっている立場で、「なぜ私には手当がないのですか」と上司に聞くのは簡単ではありません。法律で不利益な扱いは禁じられていても、次は更新しないという形で返ってくるのではないか、という不安は残ります。

説明を受けても、「仕事の中身が違うから」の一言で終わってしまうこともあります。今回の指針では、説明は資料を使って口頭で行うか、分かりやすい資料を渡す方法によるとされ、口頭で説明した場合もその資料を渡すことが望ましいとされました。聞くときは、書いたものをもらえるよう頼んでみてください。手元に残っていれば、後で相談するときに役に立ちます。

改正の細かな解釈は、施行前に通達で示す予定だと厚生労働省は説明しています。運用の細部は、まだ決まっていないところがあります。

そして、会社に待遇の見直しを求めても、結果が出るまでには時間がかかります。そのあいだも、家賃や光熱費の支払いは毎月やってきます。

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聞いてみたいとき、困ったときの相談先

同一労働同一賃金については、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)で無料で相談できます。自分の手当や休暇の差が不合理にあたりそうか、どう聞けばいいか、という段階の相談でもかまいません。

  • 神奈川労働局 雇用環境・均等部:045-211-7380
  • 静岡労働局 雇用環境・均等室:054-252-5310

受付は平日の8:30〜17:15です。会社との話し合いがうまくいかないときは、労働局長による紛争解決の援助や、第三者が間に入る調停を申し出ることもできます(同法第24条・第25条)。援助や調停を申し出たことを理由とする不利益な扱いも、法律で禁じられています。

住まいや仕事のことでお困りのとき

NPO法人暮らし就労支援協会では、お住まいのご相談と就労のご相談をお受けしています。契約が切れそうで家賃が払えるか心配、今の職場を続けるか迷っている、というご相談も受けています。相談は無料です。

待遇の見直しを会社に求めることや、会社との紛争の解決は、上に挙げた労働局の役割です。私たちは、何をどこに伝えればいいかを一緒に整理し、その間の暮らしを立て直すところをお手伝いします。生活保護の相談・申請は、お住まいの市区町村の福祉事務所が窓口です。

出典

監修:NPO法人暮らし就労支援協会

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