7月、生活保護の申請は2万5千件ありました
厚生労働省は2026年10月7日、生活保護の被保護者調査(令和8年7月分の概数)を公表しました。毎月出ている統計です。
今回、目を引くのは申請の数です。
- 保護の申請件数:25,236件(前の年の7月より151件・0.6%増)
- 前の月(6月)は20,970件だったので、1か月で4,266件増えました
- 実際に保護が始まった世帯:20,170世帯(前の年の7月より522世帯・2.5%減)
一方、生活保護を利用している人は1,969,655人で、1年前より20,438人(1.0%)減りました。世帯数は1,644,102世帯で、0.2%の減少です。
利用している人は少しずつ減り、新しく申請する人は増えている。 6月分と同じ傾向が、7月も続きました。
「申請」と「開始」の数が違うのはなぜか
7月の申請は25,236件、保護が始まったのは20,170世帯。差はおよそ5千です。
この差を「5千件が断られた」と読むのは早いと思います。理由は2つあります。
ひとつは、申請した月と決まる月がずれること。7月の終わりに出した申請は、決まるのが8月になります。7月に始まった世帯の中には、6月に申請した方も入っています。
もうひとつは、申請のあとに取り下げる方や、調べた結果、収入や資産が基準を上回っていた方がいること。この統計は、その内訳までは示していません。
ですから、この数字から「何割が却下されたか」は分かりません。ただ、申請すれば必ず始まるわけではないこと、そして申請から決定まで時間がかかることは、知っておいていただきたいと思います。
申請から決定まで、原則14日以内です
生活保護法には、決定までの期限が書かれています(第24条)。
- 福祉事務所は、申請のあった日から14日以内に、保護するかどうかを書面で知らせなければならない
- 家族への扶養の問い合わせに時間がかかるなど、特別な理由があるときは、30日まで延ばせる。その場合は、遅れた理由を書面に書かなければならない
- 申請してから30日たっても通知が来ないときは、却下されたものとみなすことができる
この14日のあいだに、福祉事務所は預貯金や収入、家族の状況などを調べます。ケースワーカーが自宅を訪ねてきたり、電話で問い合わせが来たりもします。
手持ちのお金がほとんどないときは、この14日が長く感じられます。決定を待つあいだの生活費に困るときは、そのことを窓口ではっきり伝えてください。
メリット:期限が法律で決まっている
期限があるということは、待たされ続けることはないということです。
申請した日を書きとめておけば、「14日」「30日」を自分で数えられます。30日を過ぎても何も来なければ、それは却下と同じ扱いにでき、次の手続きに進めます。
注意点:「申請した日」がはっきりしないと数えられない
気をつけていただきたいのは、窓口で相談しただけでは「申請」にならないことです。
相談の段階で終わってしまうと、14日の期限は始まりません。申請したいときは「申請します」と言葉にして伝え、申請書を出してください。
申請した日と、対応した職員の名前は、控えておくと安心です。
却下されたとき:3か月以内に審査請求ができます
却下の通知には、理由が書かれています(第24条第4項)。理由に納得できないときは、審査請求という不服申し立てができます。
- 申し立て先は都道府県知事(生活保護法第64条)。神奈川県にお住まいなら神奈川県知事です
- 期限は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法第18条)
- 費用はかかりません
また、却下されたあとでも、状況が変わればもう一度申請することができます。一度断られたから二度と受けられない、ということはありません。
課題:決定を待つあいだ、連絡が取れること
現場で見ていて、つまずきやすいと感じる点があります。
決定までの14日間に、福祉事務所からは何度か連絡が来ます。訪問の日程、追加で出してほしい書類、確認したいこと。この連絡を受けられないと、調べが進まず、決定が遅れます。
ところが、生活保護を申請する方の中には、携帯電話の料金を払えずに止まっている方が少なくありません。住まいを失いかけている方は、郵便が届く住所もはっきりしないことがあります。
申請の手続きそのものより、「連絡が取れる状態」を保つことのほうが難しい。 これが、統計には出てこない課題だと考えています。
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申請しようか迷っているとき
生活保護の相談・申請は、お住まいの市区町村の福祉事務所(区役所・市役所の生活支援課など)が窓口です。申請は国民の権利で、相談だけでも受け付けてもらえます。
そのうえで、窓口で何をどう話せばいいか分からない、決定を待つあいだの暮らしが心配、家賃を滞納していて住むところが危うい――そうしたことでお困りでしたら、NPO法人暮らし就労支援協会にご相談ください。住まいのご相談と就労のご相談の両方をお受けしています。相談は無料です。
- 相談前チェック(オンライン):https://forms.gle/ppLQBuMz28LHCAtN8
- メール:info@npokurashi.com
- ホームページ:https://www.npokurashi.com/
出典
- 厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和8年7月分概数)の結果を公表します」(令和8年10月7日公表)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2026/07.html (2026年10月11日確認)
- 同 報道発表資料(PDF)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2026/dl/07-01.pdf (2026年10月11日確認)
- e-Gov法令検索「生活保護法」第24条・第64条 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 (2026年10月11日確認)
- e-Gov法令検索「行政不服審査法」第18条 https://laws.e-gov.go.jp/law/426AC0000000068 (2026年10月11日確認)
監修:NPO法人暮らし就労支援協会

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