※この記事には広告(アフィリエイト)を含みます。
資格を取りたい、という相談は多いです。仕事を探すなかで「経験がない」と言われ続けると、何か形にしたくなる。その気持ちはよくわかります。
ただ、そこで検索すると出てくるのは民間のスクールの広告です。数十万円の講座を分割で申し込んで、途中で通えなくなり、支払いだけが残る。この形で相談に来られた方が実際にいます。
順番があります。公的な制度を先に見てください。
受講料が無料になる訓練がある
まず知っておいてほしいのが、求職者支援制度です。雇用保険を受け取れない方が対象で、受講料が無料の職業訓練を受けられます。
さらに、一定の条件を満たすと職業訓練受講給付金が支給されます。訓練を受けながら生活費を確保する仕組みです。
職業訓練受講給付金(求職者支援制度)
職業訓練受講手当/月10万円
通所手当/月上限42,500円(通学の実費)
寄宿手当/月10,700円(別居して寄宿する場合)
主な要件/本人の収入が月8万円以下、世帯全体の収入が月30万円以下、世帯全体の金融資産が300万円以下、ハローワークに求職の申込みをしていること、訓練実施日の8割以上に出席すること、過去6年以内にこの給付金を受けていないこと
出席の要件は思っているより厳しく、体調に波がある方は事前に相談したほうがいいです。ハローワークの窓口で正直に話してください。
雇用保険を受給できる方には、公共職業訓練という別の道があります。こちらも受講料は基本的に無料(テキスト代などは自己負担)で、訓練期間中は失業給付が延長されることがあります。どちらに当てはまるかは、ハローワークで確認するのが早いです。
(出典:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyushokusha_shien/index.html /確認日 2026-08-24。金額・要件は改定されることがあります)
訓練の中身と申込みの流れは職業訓練の記事にまとめました。
働きながらなら、教育訓練給付
いま働いている、あるいは離職してまもない方には、教育訓練給付という制度があります。厚生労働大臣が指定した講座を修了すると、費用の一部が戻ってきます。
三つの区分があり、戻る割合が違います。
| 区分 | 給付率 | 上限 |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 20% | 10万円 |
| 特定一般教育訓練 | 40%(資格取得等で50%) | 20万円(同25万円) |
| 専門実践教育訓練 | 50%(資格取得等で70%、賃金上昇でさらに上乗せ) | 年間40万円(同56万円ほか) |
雇用保険の被保険者期間などの要件があります。自分が対象かどうかは、住んでいる地域を管轄するハローワークで確認できます。対象の講座は厚生労働省の検索システムで探せます。
注意点として、これは後から戻る仕組みです。受講料はいったん自分で払います。手元にお金がない状態では使えないので、その場合は前の章の求職者支援制度のほうを見てください。
生活保護を受けているなら、技能修得費
生活保護には生業扶助という区分があり、そのなかに技能修得費という費目があります。生計を立てるために必要な技能を身につける費用として、授業料や教材費が支給されることがあります。
上限額が定められていて、額は改定されます。この記事では具体的な数字を書きません。何が対象になるか、いくらまでかは、担当のケースワーカーに直接聞いてください。「この資格を取りたいのですが、技能修得費の対象になりますか」と切り出せば話が通ります。
自動車の運転免許が対象として認められる例もあります。地域や仕事の見込みによって判断が変わるため、必要な理由を具体的に説明できるようにしておくといいです。
制度に乗らないときの選択肢
ここまでが公的な制度です。それでも当てはまらない、待っている時間がない、という場合があります。
そのときは、月に1,000円台から使えるオンラインの学習サービスが選択肢になります。数十万円のスクールと違うのは、途中でやめたときの損失が小さいことです。合わなかったら翌月に止められる。生活の見通しが立っていない時期に、大きな金額を先に払う契約をしないでください。
資格が仕事に直結するとは限らない
最後に、耳の痛いことを書きます。
資格を取れば就職できる、とは言えません。求人が求めているのは資格そのものではなく、働ける状態にあるかどうかであることが多い。私たちが見てきたなかでは、資格の勉強より先に、生活のリズムと体調を戻すことが必要だった方のほうが多かったです。
朝起きられない状態で通信講座を申し込んでも、テキストが積まれるだけです。それで「自分は続かない人間だ」と思い込んでしまうのが、いちばんよくない。
順番として、住まいを落ち着かせる、生活のリズムを戻す、短時間から働いてみる、そのうえで必要なら資格。この流れのほうが、結果として早いことが多いです。働きながら生活保護を受ける形もあります(→ 働きながら受けられるのかの記事)。
私たちの就労支援では、資格の前段階の相談から受けています。何から手をつけるか一緒に決めたい方は、無料の相談前チェックから状況を書いて送ってください。

コメント