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家計が苦しくなったとき、たいていの人はまず食事を減らします。一日二食にする、安い麺類でしのぐ。私たちが相談で会う方の多くが、すでにそれをやっています。
そのうえで言いにくいことを言います。食費から削るのは、効きが悪いわりに体を壊します。しかも減らせる幅がすぐに底をつく。すでに切り詰めている人にもう一段の我慢を求めても、家計は元に戻りません。
手をつけるべきは、毎月自動的に出ていくお金のほうです。使っても使わなくても同じ額が引き落とされるもの。ここを一度下げると、翌月以降ずっと効きます。
何が固定費なのかを紙に書き出す
最初にやることは節約ではなく、把握です。通帳かアプリの引き落とし履歴を1か月分ながめて、毎月出ていくものを書き出してください。
家賃、電気、ガス、水道、携帯、自宅のネット回線、保険、月額の動画や音楽のサービス、使っていないジム、リボ払いの返済。書き出してみると、契約したことすら忘れていたものが1つ2つ出てくることが多いです。数百円のサブスクが3つ残っていて、年に1万円以上払っていた、という話は珍しくありません。
書き出す作業が面倒に感じるなら、そこだけでも相談で一緒にやります。他人と一緒だと不思議と進みます。
通信費は下がる余地が大きい
大手キャリアのまま使い続けている方は、ここが一番大きく動きます。使い方によっては月に数千円変わります。
ただ、乗り換えられない事情がある方もいます。過去の滞納で新規契約を断られる、クレジットカードがない、銀行口座が使えない。この状態で「格安SIMにしましょう」と言われても動けません。そういう場合の選択肢は携帯が止まったときにできることの記事にまとめました。口座やカードがなくても持てる回線があります。
自宅のネット回線も見直す価値があります。スマホのテザリングで足りている家庭で、光回線が生きたままになっていることがあります。ただし在宅で働いている、子どもがオンラインで学習している家庭では切らないでください。安くなっても、生活が回らなくなれば意味がありません。
電気とガスは、立場によって話が変わる
電気やガスは契約先を変えられます。同じ使い方でも料金が下がることがあり、切り替えの手続き自体は難しくありません。
ただし、ここは受けている支援によって話が変わります。
生活保護を受けている方へ
光熱費は生活扶助のなかに含まれています。契約を変えて電気代が下がっても、その分だけ生活費が増えるとはかぎりません。切り替えの手間をかけても、利益が手元に残りにくい構造だということです。エアコンを我慢して体調を崩すほうがよほど損なので、そこは我慢しないでください(→ 夏のエアコンと生活保護)。
一方、生活保護を受けていない、けれど家計が厳しいという方にとっては、電気の切り替えは手間のわりに効く手のひとつです。解約金の有無と、いまの契約の縛りだけは確認してから動いてください。
保険は、中身を知らないまま払っていることが多い
毎月1万円を超える保険に入っていて、何がついているのか説明できない。相談ではよくあります。
見直す価値はあります。ただし解約の前に、保障の穴を確認してください。医療保険を解約した直後に入院した、という話は実際にあります。持病があると入り直せないこともあります。
判断に迷うなら、保険証券を持って相談に来てください。売る立場ではない人間と一緒に読むだけで、必要なものと不要なものの区別はかなりつきます。
すでに滞納しているなら、節約より先にやることがある
ここが一番伝えたいところです。
家賃や公共料金の滞納が始まっている、カードの支払いが遅れている、督促の封筒が届いている。この段階なら、節約の話は後回しでかまいません。月に3,000円下げても、督促は止まらないからです。
先にやるのは、止める手続きのほうです。家賃なら大家さんや管理会社に事情を話して分割を相談する。公共料金なら支払いの猶予や分割の制度がある事業者が多い。借金なら借金があっても生活保護は申請できるという記事に書いたとおり、整理する手があります。
放っておくと、電気が止まり、携帯が止まり、そこから仕事の連絡も受けられなくなります。この順番で崩れていくのを何度も見てきました。だから、崩れる前に手を打つほうが、あとの苦労がずっと小さい。
ひとりでやらなくていい
固定費の見直しは、地味で、面倒で、後回しになりがちな作業です。督促に追われているときは、なおさら手がつきません。
私たちは家計の相談も受けています。何にいくら払っているのかを一緒に並べて、削れるところと、削ってはいけないところを分けます。滞納があるなら、そちらの手当てから始めます。
無料の相談前チェックに、いまの状況を書けるだけ書いて送ってください。金額を正確に把握していなくても大丈夫です。「よくわからない」という状態から始めて構いません。


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