医療扶助とは?生活保護中の医療費と医療券の使い方

聴診器(医療のイメージ) 医療・扶助

「歯が痛いのを半年我慢している」「血圧の薬が切れたけど、お金がなくて病院に行けていない」。相談の場でこういう話を聞くたびに、もっと早く来てほしかったと思います。受診をがまんしているあいだに、治せたはずのものが治しにくくなっていることが多いからです。

生活保護には医療扶助という仕組みがあります。保険がきく範囲の治療や薬なら、原則として窓口での自己負担なしで受けられます。お金の心配で病院を避けている方に、まず知っておいてほしい制度です。

医療扶助はどういう仕組みか

生活保護には、生活費や家賃、医療など、目的ごとに分かれた8つの扶助があります。医療扶助はそのうちのひとつで、病気やけがの治療にかかる費用を公費でまかなうものです。診察も、検査も、入院や手術も、保険が使える医療であれば原則自己負担なしで受けられます。

生活保護を受けているあいだは健康保険から外れますが、その代わりを医療扶助が果たす、と考えるとわかりやすいと思います。お金があるかどうかで受診をあきらめずにすむように、という趣旨の制度です。

8つの扶助のうち、日々の暮らしに関わる主なものを並べておきます。

扶助の種類 何に使うもの
生活扶助 食費・光熱費・衣類など日常の生活費
住宅扶助 家賃・地代(世帯人数ごとに上限あり)
医療扶助 診察・入院・手術・薬など(原則自己負担なし)
介護扶助 介護サービスの利用にかかる費用
教育扶助 義務教育に必要な学用品・給食費など
出産扶助 出産にかかる費用
生業扶助 技能習得や就労のための費用
葬祭扶助 葬儀にかかる費用

何が対象で、何が対象外か

線引きの目安はシンプルで、健康保険がきくかどうかです。病院や診療所での診察・検査・治療、入院や手術、保険適用の薬、訪問看護などは対象に入ります。

一方で、美容目的の施術や、希望して入る個室の差額ベッド代、ドラッグストアで買う市販薬などは、健康保険がきかないため原則として対象外です。迷いやすいところなので、「これは出るのかな」と思ったら、自分で判断せず担当のケースワーカーに聞いてしまうのが確実です。

医療券を受け取ってから受診するのが基本

生活保護の方が病院にかかるときは、健康保険証の代わりに医療券を使うのが基本の流れです。順番を知っておくと、当日あわてずにすみます。

1

福祉事務所に連絡する/どこの病院にかかりたいかを、担当のケースワーカーに伝えます。
2

医療券を受け取る/福祉事務所が、その医療機関あての医療券を発行します。
3

医療機関を受診する/医療券を使って受診します。窓口での自己負担は原則ありません。

受診の前におさえておく3点

  • 急病やけがのときは、先に受診してかまわない。あとから手続きできます
  • 手続きの細かい運用は自治体で違う。事前にケースワーカーへ一言確認を
  • かかりたい病院が決まっているなら、その名前を伝えると話が早い

急に高熱が出た、転んで動けない、といったときに「医療券がないから」と受診をためらう必要はありません。命や体が先です。まず病院にかかって、手続きはあとから追いつかせれば大丈夫です。

体調を崩したまま無理を続けると、暮らしを立て直す入口にも立てなくなります。健康はその土台です。「病院代が払えない」で止まっている方は、早めに声をかけてください。

まずはスマホでできる無料の生活保護相談前チェックから。制度全体の説明は生活保護とは、いくら受け取れるのかは支給額の記事にまとめています。横浜駅西口すぐのかながわ県民センターでも、定例で無料の相談会をひらいています。

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