「持ち家があるうちは、生活保護なんて申請できない」。長年住んだ家を前に、そう思い込んで相談をためらう方は少なくありません。高齢のご夫婦が、古い一戸建てに二人で暮らしていて、貯えが尽きかけている、といった相談は珍しくないのです。
たしかに、資産価値の高い家だと売却を求められることはあります。ただ、持ち家がある=一律で受けられない、というわけではありません。いま住んでいる家であれば、住み続けたまま認められることもあります。
先に一つだけ。相談する前に、あわてて家を手放してしまうのは避けてください。一度売れば、もう戻せません。
「持ち家=受けられない」ではない
生活保護には、活用できる資産はまず生活費に充ててください、という原則があります。だから資産価値の高い家は、売って生活に充てるよう求められることがあります。
一方で、いま生活の拠点にしている家には、一定の配慮がなされます。売ってもわずかにしかならない家に住み続けるより、そのまま暮らして家賃の出費を抑えたほうが、結果的に保護費の負担も軽く済む。そういう見方もされるからです。資産価値がそれほど高くない家なら、住み続けたまま受給できるケースは少なくありません。
住み続けられることがあるケース
原則と例外を、対比で並べてみます。あくまで目安で、最終的な判断は資産価値やローンの状況、自治体によって変わります。
| 判断が分かれる・難しいケース | 住み続けられることがあるケース |
|---|---|
| 資産価値の高い家 | 築年数が古く、売ってもわずかにしかならない |
| 住宅ローンが多く残っている | ローンがない、または残りがごくわずか |
| 広すぎる・世帯に不相応な家 | 売却しても、転居先の家賃を考えると生活の助けにならない |
| 投資用など、住んでいない不動産 | 高齢や病気で、引っ越しが心身に大きな負担になる |
とくにローンが多く残っている家は注意が要ります。保護費でローンを返すことは「資産を増やす行為」とみなされ、そのままでは認められにくいことがあります。ここは個別に確認が必要なところです。
持ち家 ― 誤解を解く3点
- 「持ち家があるから受けられない」とは限らない。住み続けられることもある
- カギは資産価値とローンの状況。値の張らない家は認められやすい
- 売るかどうかは、手放す前に相談してから決める(順番が大事)
手放す前に、まず相談を
いちばん伝えたいのはここです。「どうせ無理だろう」と、相談の前に家を手放してしまわないでください。
持ち家をめぐる判断は、資産価値・ローン・自治体の運用が絡み合っていて、専門的な検討が要ります。事情の伝え方でも結果は変わります。売ってから「実は住み続けられた」と気づいても、取り返しはつきません。だからこそ、手放す前の相談が後悔しないための分かれ道になります。
家と同じように、車や借金といった「これがあると受けられないのでは」という思い込みで止まってしまう方も多いです。車の保有についても、通勤や通院に必要なら認められることがあります。
持ち家のことで迷っているなら、ひとりで結論を出す前に声をかけてください。私たちは神奈川・横浜で無料の相談を受けていて、住まいのことも住居支援としてまとめて考えられます。横浜駅西口すぐのかながわ県民センターでも定例の相談会をひらいています。まずはスマホでできる相談前チェックから試してみてください。制度そのものの説明は生活保護とはにまとめています。

