年金に月5,620円が上乗せされます|9月に届くはがきを、出さないと始まりません

日本の赤い郵便ポスト。生活保護費の追加給付は郵送での申出が必要 未分類
出典:Pixabay(商用利用可・クレジット表記不要)

日本年金機構は、新しく年金生活者支援給付金の対象になる方へ、請求書(はがき型)を毎年9月の第1営業日から順次送っています。令和8年度は9月1日が第1営業日にあたります。

同機構は9月1日付で、手続きが遅れたときの取り扱いについての案内も更新しました。令和9年1月4日(月曜)までに機構へ届けば、令和8年10月分までさかのぼって受け取れます。

この給付金は、請求書を出さないと1円も入りません。対象に当てはまっているだけでは支給されない仕組みです。

そもそも、どういうお金なのか

年金生活者支援給付金は、消費税率の引き上げ分を使って、年金収入やその他の所得が一定額以下の年金受給者に、年金へ上乗せして支給されるものです。2019年10月に始まりました。

年金とは別のお金として振り込まれます。原則として偶数月の15日に、その前月までの2か月分がまとめて入ります。年金と同じ口座です。

いくら受け取れるか

老齢基礎年金を受けている方の場合、月額はこう計算します。

保険料を納めた期間の分が「5,620円 × 納付済期間 ÷ 480月」。免除を受けていた期間の分が「11,768円 × 免除期間 ÷ 480月」。この二つを足した額です(昭和31年4月2日以後に生まれた方の場合)。

40年(480月)すべて納めていれば月5,620円。日本年金機構は、納付240か月・全額免除50か月・4分の1免除30か月の方の例として、月4,404円という計算を示しています。

障害基礎年金を受けている方は、1級で月7,025円、2級で月5,620円。遺族基礎年金を受けている方は月5,620円です(お子さんが複数いる場合は人数で割ります)。

対象になるのはどんな人か

老齢基礎年金の場合、次の三つをすべて満たす方です。

一つめ、65歳以上で老齢基礎年金を受けていること。二つめ、請求する方の世帯全員の市町村民税が非課税であること。三つめ、前年の年金収入とその他の所得の合計が809,000円以下であること(昭和31年4月2日以後生まれ。それ以前に生まれた方は806,700円以下)。

三つめの金額を少し超えていても、809,000円を超え909,000円以下であれば「補足的老齢年金生活者支援給付金」の対象になります。ここで一気にゼロにならないよう、段階をつけてある形です。

障害基礎年金・遺族基礎年金を受けている方は、所得の上限がかなり違います。「4,794,000円+扶養親族の数×38万円」以下であれば対象です。しかも障害年金・遺族年金そのものは非課税なので、この判定に使う所得には含まれません。世帯全員が非課税、という条件も付きません。

障害年金を受けていて、この給付金を知らないままの方は、少なくないと思います。

手続きでいいところ

はがきに数か所書いて、ポストに入れるだけです。添付書類は原則として要りません。市町村から提供される所得の情報で判定するためです。同封の目隠しシールを貼り、切手を貼って投函します。電子申請も選べます。

そして一度出せば、翌年以降は自動で継続の判定が行われます。毎年出し直す必要はありません。継続の判定結果は、毎年10月分(12月支払い)から1年間反映されます。

満額の月5,620円で計算すると、年間で67,440円になります。

見落とされやすい点

まず期限です。はがきに書かれた期限を過ぎても手続きはできますが、令和9年1月4日(月曜)までに届かなかった場合、請求した月の翌月分からの支給に変わります。10月分にさかのぼれなくなり、遅れた月の分はそのまま消えます。月5,620円なら、1か月遅れるごとに5,620円ずつ受け取れなくなる計算です。

はがきが届かない=対象外、とは限りません。所得の情報が確認できない方には、A4型の請求書と所得状況届が送られます。心当たりがあるのに何も届かないときは、給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)か、お近くの年金事務所に問い合わせてください。

生活保護を受けている方は、担当のケースワーカーに必ず確認してください。生活保護は、他の法律による扶助が使えるならそちらが先、という原則で運用されています(生活保護法第4条第2項)。受け取れる給付金は先に受け取る必要がある一方で、受け取った分は収入として扱われます。手取りの合計が5,620円まるごと増える、という話ではありません。

このほか、日本国内に住所がないとき、年金が全額支給停止のとき、刑事施設等に拘禁されているときは支給されません。

制度として残っている課題

この給付金は請求主義です。要件に当てはまっていても、はがきを出した人だけが受け取ります。

入院中の方、施設に入っている方、郵便物が溜まってしまう状況にある方、判断する力が落ちてきている方。制度がいちばん届いてほしい人ほど、封筒を開けて書いて投函するという一連の作業が難しい、ということが起こります。実際、ご家族が久しぶりに実家へ行って、未開封の封筒の山に気づくことがあります。

もう一つ、金額そのものです。月5,620円は、横浜市の単身世帯の住宅扶助上限52,000円と並べてみれば、家賃を賄う額ではありません。年金だけでは暮らしが成り立たない、という状態を解決する規模の制度ではない、というのが率直なところです。

年金と給付金を足しても足りないときは、生活保護を検討していい場面です。年金を受けながら、不足分だけ生活保護を受けることもできます。

あわせて読みたい

家計を立て直すなら、食費より先に固定費
入ってくるお金が月5,620円しか動かないのであれば、出ていくほうを見たほうが効きます。削る順番を間違えないための考え方をまとめています。

年金だけでは足りない、というとき

まずは、届いたはがきを出してください。それが済んだら、次の話ができます。

年金と給付金を合わせても家賃や医療費で消えてしまう、家賃の滞納が始まっている、住むところを変えたほうがいいかもしれない。そうしたことでお困りでしたら、NPO法人暮らし就労支援協会にご相談ください。住まいのご相談と、生活の立て直しのご相談をお受けしています。相談は無料です。

出典

監修:NPO法人暮らし就労支援協会

コメント

タイトルとURLをコピーしました