「役所まで行ったのに、申請させてもらえなかった」。相談の電話で、この一言から話が始まることがあります。まだ若いから働ける、家族に相談して、と言われて、そのまま帰ってきてしまった。何が起きたのかもよくわからないまま、自分はダメなんだと落ち込んでいる。そういう状態の方が、実際に少なくありません。
先に大事なことをお伝えします。窓口で断られたことは、あなたが受給できないという意味ではありません。生活保護の申請は法律で認められた権利で、本来、窓口が申請そのものを拒むことはできない仕組みです。以下、断られたと感じたときに何ができるかを順番に説明します。
まず、申請は「権利」だと知っておく
生活保護は、日本国憲法第25条にもとづく制度です。生活保護法では、「申請します」という意思表示があれば、福祉事務所は申請を受け付けなければならないと定められています。
だから、相談したうえで断られたとしても、それは相談の段階で追い返されただけで、正式な申請をして却下の通知を受け取ったわけではない、というケースがほとんどです。「相談で止まっているのか」「申請して結果が出たのか」。この区別が、次の一歩を決めます。
よくある断り文句と、その受け止め方
申請させずに追い返そうとする対応は、俗に水際作戦と呼ばれます。次のような言葉が代表的で、いずれも申請を断る正当な理由にはなりません。
| よく言われること | 実際のところ |
|---|---|
| まだ若いから働けるでしょう | 若くても収入が最低生活費に届かなければ対象になり得ます |
| 先にハローワークへ | 求職中でも申請はできます。順番を条件にはできません |
| 家族に相談・援助してもらって | 援助が受けられるかは確認事項で、申請の前提ではありません |
| 持ち家(車)があるから無理 | 条件によっては保有したまま受給できる場合があります |
| 住所がない人は申請できない | 住まいのない方は、住まいの確保から支援を受けられます |
線を引かれた側は、そういうものかと引き下がってしまいがちです。けれど、ここに並べたどれも、それ単独で申請を止める理由にはなりません。
断られたと感じたときにできること
そのまま帰らず、あるいは帰ってしまったあとでも、打てる手はあります。
「家族に知られたくない」「住まいがない」も理由になる
断る口実に使われがちな二つの不安にも、それぞれ対応策があります。
家族への連絡、いわゆる扶養照会は、DVや虐待、長く音信不通といった事情があれば止められます。国が2021年に運用を見直していて、本人が望まない場合はその理由を聞き取って個別に判断する扱いになりました。知られたくない相手がいるなら、申請の前に伝えておいてください。
住まいがないという不安も、諦める理由にはなりません。私たちは生活の拠点となるお部屋探しから住居支援をしています。「住所がないから無理」と言われても、そこで止まる必要はありません。
断られると、やっぱり自分はダメなんだと感じてしまうかもしれません。でもそれは対応の問題であって、あなたの価値とは関係ありません。これから申請する方は申請方法と流れを、制度の全体像は生活保護とはを先に読んでおくと、窓口で落ち着いて話せます。
まずはスマホでできる無料の相談前チェックから始めてみてください。同行や面接の準備は生活保護の支援にまとめています。横浜駅西口すぐのかながわ県民センターでの相談会にも、どうぞ足を運んでください。

